“掣肘”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
せいちゅう87.5%
せいちう7.5%
せいちゆう2.5%
ひかれ2.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この旅行は、はじめっからしまいまですっかり自分のものとして経験し、どういう結果についても掣肘せいちゅうをうけたくない気持がした。
二つの庭 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
これからあすの朝までは、誰にも掣肘せいちゅうせられることの無い身の上だと感ずるのが、お玉のためにはず愉快でたまらない。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
ただそれとなく監視して、二人を一緒に置かないよう、二人を二人だけで話させないよう、掣肘せいちゅうするだけに止どめておいた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
内より表現を迫る精神的内容が特に力強くそれ自身を主張するとき、視覚作用は絶えずその根元によって掣肘せいちゅうせられる。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
勝気な母の多計代のひそかな大望の偶像にされそうなところがあったり、中流家庭の娘として、伸子が望むだけどしどし人生に突入することを許さない掣肘せいちゅうがあった。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それ以来去来は何をするのにも、この満足と悔恨との扞挌かんかくから、自然と或程度の掣肘せいちうを感じ出した。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
勘次かんじ什麽どんな八釜敷やかましくおつぎをおさへてもおつぎがそれでせいせられても、勘次かんじむら若者わかものがおつぎにおもひけることに掣肘せいちうくはへるちからをもいうしてらぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そも/\厭世家なるものは社界の規律にしたがふこと能はざる者なり、社界を以て家となさゞる者なり、「世に愛せられず、世をも愛せざる者なり」(I love not the world, nor the world me.)繩墨の規矩きく掣肘せいちうせらるゝこと能はざる者なり
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
生得しやうとく聰明な人だけに、老臣等に掣肘せいちゆうせられずに、獨力で國政を取りさばいて見たかつた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
昨日きのうまでは叔父の家とは言いながら食客いそうろうの悲しさには、追使われたうえ気兼苦労而已のみをしていたのが、今日はほか掣肘ひかれる所もなく、心一杯に勉強の出来る身の上となったから、ヤ喜んだの喜ばないのと、それはそれは雀躍こおどりまでして喜んだが、しかし書生と言ッてもこれもまた一苦界ひとくがい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)