“食客”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いそうろう47.2%
しょっかく28.3%
しよくかく7.5%
ゐさふらふ3.8%
ゐさうらふ3.8%
いそうらう1.9%
かかりゅうど1.9%
しょっきゃく1.9%
ゐさうらう1.9%
シヨツカク1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は、元来、この町に、立派な玄関を磨いた医師いしゃのうちの、書生兼小使、と云うが、それほどの用には立つまい、ただ大食いの食客いそうろう
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夫の存命していた時のように、多くの奴婢ぬひを使い、食客しょっかくくことは出来ない。しかし譜代の若党や老婦にして放ち遣るに忍びざるものもある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
唯継は彼等の心々にさばかりの大波瀾だいはらんありとは知らざれば、聞及びたる鴫沢の食客しよくかくきたれるよと、例の金剛石ダイアモンドの手を見よがしに杖を立てて、誇りかに梢を仰ぐあぎとを張れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
よしツ、それぢや下手人は高木銀次郎とか言ふ浪人に決つた。旗本の食客ゐさふらふぢや始末が惡いが、幻の民五郎の正體と判つちや放つて置けまい。若年寄方と掛合ひごつこを
自分はげん食客ゐさうらふなんだから、どう思はれても構はないが、万一煩ひが広田先生に及ぶ様では済まん事になる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
老夫婦ふたりは猶もおらん樣が詞の幾倍を加へて、今少し身躰からだのたしかに成るまでは我等が願ひても此處に止めたしと思ひしを、孃樣よりのお言葉なれば今は天下はれての御食客いそうらうぞや
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かく云う我らは伊勢の豪族北畠家の家人けにんとして弓手ゆみての一人に数えられたるくろがね主馬之介と申す者、故あって主家を浪人し今では花村家の食客かかりゅうど
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
山木邸にいた四五人の食客しょっきゃくといっしょにその場所を捜して歩いた。
雑木林の中 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と冗談半分の嘆声を洩らしたが、「どうです里見さん、あなたの所へでも食客ゐさうらうに置いて呉れませんか」と美禰子のかほを見た。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
といふ句において、単に実質的内容なる食客シヨツカクがいつもすのこんにやくのと小言をいはるゝとだけでは、何の興味もない。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)