雑木林の中ぞうきばやしのなか
明治十七八年比のことであった。改進党の壮士藤原登は芝の愛宕下の下宿から早稲田の奥に住んでいる党の領袖の処へ金の無心に往っていた。まだその比の早稲田は、雑木林があり、草原があり、竹藪があり、水田があり、畑地があって、人煙の蕭条とした郊外であっ …
作品に特徴的な語句
さき 食客しょっきゃく しょう 禿ちび じぶん 何人たれ におい からま 単衣ひとえもの ごろ 如何いかが けん さめ かさな 知己しりあい しゃが 裁縫さいほう 見覚みおぼえ ぬぐ から 小縁こえん 何人だれ さき 縁側えんがわ 葉端はさき 草路くさみち 草原くさはら 茶店ちゃみせ 茗荷みょうが しば ひざ 胡座あぐら 蒼白あおじろ ふち うろこ 素足すあし 麝香じゃこう 竹藪たけやぶ まじ 野茨のいばら つば やしき 近比ちかごろ 麦湯むぎゆ みち ひたい かっ のぞ 見附みつけ 障子しょうじ 領袖りょうしゅう 蕭条しょうじょう へや 手拭てぬぐい いただ ふところ 微赤うすあか 微濁うすにご 微暗うすぐら あと 幾等いくら 小桜こざくら はさ きれい わか 埴輪はにわ 四辺あたり 吉原よしわら 口許くちもと 割込わりこ 俯向うつむ 人煙じんえん すず 稲田いなだ ぴき 畑地はたち 玩具おもちゃ 無心むしん したた たま はし 浴衣ゆかた 流槽ながし 晩餐ばんさん 昨夜ゆうべ ななめ
題名が同じ作品
雑木林の中 (新字旧仮名)田中貢太郎 (著)