“微暗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすぐら76.5%
うすくら8.8%
ほのぐら8.8%
ほのくら5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彭はしかたなしに其所そこへ立ち止った。いつの間にか夕映も消えて四辺あたり微暗うすぐらくなった中に、水仙廟の建物が黒い絵になって見えていた。
荷花公主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
入口の障子しょうじをがたがたとけて、学生マントを着た小兵こがらな学生が、雨水の光る蛇目傘じゃのめがさ半畳はんだたみにして、微暗うすくら土間どまへ入って来た。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
微暗ほのぐらい火影は沈靜な……といふよりは停滞した空氣にたゞよツて、癈頽した家のボロを照らした。由三は近頃になく草臥れた兩足を投出して、ぐッたり机に凭れかゝツた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
またはそこに微暗ほのくらくほの見えてゐる女の面影を見詰めるやうに、ぢつと暫しの間そこに立尽してゐたことを思ひ起した。
父親 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)