微暗ほのくら)” の例文
またはそこに微暗ほのくらくほの見えてゐる女の面影を見詰めるやうに、ぢつと暫しの間そこに立尽してゐたことを思ひ起した。
父親 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
兼ての手筈てはずに女の来てちよつとこちらへと案内するは、同じ二階の四畳半に網行燈あみあんどう微暗ほのくらく、の少き土地とて蚊幮かやらねど、布団ふとん一つに枕二つ、こりや場所が違ひませうと
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)