“蚊幮”の読み方と例文
読み方割合
かや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして単に薬餌やくじを給するのみでなく、夏は蚊幮かやおくり、冬は布団ふとんおくった。また三両から五両までの金を、貧窶ひんるの度に従って与えたこともある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
かくの如くに反覆して雷火におびやされたので、抽斎は雷声をにくむに至ったのであろう。雷が鳴り出すと、蚊幮かやうちに坐して酒を呼ぶことにしていたそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
兼ての手筈てはずに女の来てちよつとこちらへと案内するは、同じ二階の四畳半に網行燈あみあんどう微暗ほのくらく、の少き土地とて蚊幮かやらねど、布団ふとん一つに枕二つ、こりや場所が違ひませうと
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)