“微赤”の読み方と例文
読み方割合
うすあか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
車のわだちに傷めつけられた路は一条微赤うすあかい線をつけていた。その路は爪さきあがりになっていた。高い林の梢の上にかすかな風の音がしていた。
殺神記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
おそくなって船は土手に沿うて進んでいた。宙は倩娘のことが頭に一ぱいになっていて眠られないので、起きて船べりにもたれていた。微赤うすあかい月が川にも土手の草の上にもあった。
倩娘 (新字新仮名) / 陳玄祐(著)
林の外側に並んだ幹には残照ゆうばえが映って、その光が陽炎かげろうのように微赤うすあかくちらちらとしていたが、中はもう霧がかかったように暗みかけていた。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)