食客しよくかく)” の例文
唯継は彼等の心々にさばかりの大波瀾だいはらんありとは知らざれば、聞及びたる鴫沢の食客しよくかくきたれるよと、例の金剛石ダイアモンドの手を見よがしに杖を立てて、誇りかに梢を仰ぐあぎとを張れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
(翁の門人惟然が作といふ翁の肖像あるひは画幅の肖像、世に流伝するものと此説とあはせ視るべし)小川破笠俗称平助壮年さうねんころ放蕩はうたうにて嵐雪とともに(俗称服部彦兵ヱ)其角が堀江町のきよ食客しよくかくたりし事
頼みければ異議いぎなく承知ししばらくの内は此處の食客しよくかくとなりしが兵助はほかに覺えし家業も無ければ彼の知音の世話せわにて加古川の船守ふなもりとなり手馴てなれわざ水標棹みなれざをもその艱難かんなん云ん方なしされど原田兵助は至て孝心かうしんふかき者なれば患難を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
(翁の門人惟然が作といふ翁の肖像あるひは画幅の肖像、世に流伝するものと此説とあはせ視るべし)小川破笠俗称平助壮年さうねんころ放蕩はうたうにて嵐雪とともに(俗称服部彦兵ヱ)其角が堀江町のきよ食客しよくかくたりし事
立去り美濃國みのゝくに各務郡かゞみごほり谷汲たにくみさと長洞村ながほらむらの日蓮宗にて百八十三箇寺の本寺なる常樂院の當住たうぢう天忠上人てんちうしやうにんと聞えしは藤井紋太夫がおとゝにて大膳が爲にはじつ伯父坊をぢばうなれば大膳は此長洞村へ尋ね來りしばらく此寺の食客しよくかくとなり居たりしが元より不敵の者なれば夜々よな/\往還わうくわんへ出て旅人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)