“むらむら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムラムラ
語句割合
村々40.9%
簇々18.2%
村村9.1%
邑々9.1%
部落々々9.1%
勃々4.5%
斑々4.5%
村邑4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かねには吉彦よしひこさんがひとりついて、まち国民学校こくみんがっこう校庭こうていまでゆくことになっていた。そこには、ちかくの村々むらむらからあつめられた屑鉄くずてつやまがあるということだった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
不断忍んでゐる多くの不快が、一時に雲のやうに簇々むらむらと頭をもたげ出して、その一つが、彼女のそれに対する憎悪をそゝるやうに、明瞭に思ひ出させるのであつた。
乞食の名誉 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
其間そのあひだに褐色の屋根や白い壁をもたげて田舎家ゐなかやが散らばり、雨上りの濁つた沼のほとりには白まだら黄牛あめうしが仔牛をれて草をみ、遠方の村村むらむらの上にそびえた古い寺院の繊細きやしやな尖塔が、白楊はくやうのひよろ長い
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
はるかに小手をかざせば助川の空はいちめんの火雲、近くの邑々むらむらで打ち鳴らす半鐘の音が風に乗って聞こえていた——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
まつかさのように散らばった部落々々むらむらの貧農の
と、私の心も寂然しんとなる。その寂然しんとなった心の底から、ふと恋しいが勃々むらむらと湧いて出て、私は我知らず泪含なみだぐんだ。ああ、成ろう事なら、此儘此墓の下へ入って、もう浮世へは戻りたくないと思った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ひげのある親仁おやじが、紺の筒袖を、斑々むらむら胡粉ごふんだらけ。腰衣のような幅広の前掛まえかけしたのが、泥絵具だらけ、青や、あかや、そのまま転がったら、楽書らくがき獅子ししになりそうで、牡丹ぼたんをこってりと刷毛はけえどる。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今まで素朴であった村邑むらむらが工夫という渡り物の来たためにアブク銭が落ち込むので、農家はいずれもなかば飲食店のようになり、善良なりし村家むらや戸毎こごとから酒気溢れ