邑々むらむら)” の例文
其は其として、昔から家の娘を守った邑々むらむらも、段々えたいの知れぬ村の風に感染かまけて、しのづまの手に任せ傍題ほうだいにしようとしている。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
はるかに小手をかざせば助川の空はいちめんの火雲、近くの邑々むらむらで打ち鳴らす半鐘の音が風に乗って聞こえていた——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)