村々むらむら)” の例文
いまの巡礼じゅんれいは、やまえ、かわわたり、野原のはらぎ、村々むらむらをいって、自分じぶん故郷ふるさとくには、いつのころであろうとかんがえられたのです。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かねには吉彦よしひこさんがひとりついて、まち国民学校こくみんがっこう校庭こうていまでゆくことになっていた。そこには、ちかくの村々むらむらからあつめられた屑鉄くずてつやまがあるということだった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
すると、方々ほうぼう村々むらむらでも、かねもうけのことなら、なんだって見逃みのがしはしないので、かぎりなく、なしのえたのであります。
そうしてようやくできあがったかねだから、四方しほうたにひとこうの村々むらむらひとこころもこもっているわけだ。だからごんごろがねをつくと、そのたにむらおともまじっているようにこえるのだよ。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
さすがに、あきになると、宵々よいよいに、荒海あらうみせるなみおとが、いくつかの村々むらむらぎ、えて、とおくまできこえてくるのであります。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから、また自転車じてんしゃはしらせて、きたときのみちをもどるころには、そらは、くもって、村々むらむら新緑しんりょくが、いちだんと銀色ぎんいろひかってかすんでいました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
はなは、もうまったくしおれかかっていたので、かぜくたびに、汽車きしゃまどから、ぎる村々むらむらへ、ってんでゆきました。
なまずとあざみの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
原因不明げんいんふめいかる熱病ねつびょうが、村々むらむら流行りゅうこうしたのは、そののちのことです。しかし、がたつと、いつしかその病気びょうきも、あとかたなくえてしまいました。
なまずとあざみの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、上手じょうずにバイオリンをらしました。そして、毎日まいにちこのあたりの村々むらむらあるいて、っているはこなかくすりを、むらひとたちにったのであります。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、駅前えきまえから、あちらのやまのふもとの村々むらむらへいく、馬車ばしゃがとまっていました。いぜんには、バスが往復おうふくしていたが、戦争せんそうがはじまってから、馬車ばしゃにかわったのでした。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あたたかになるころから、さむくなるころまで、いろいろの小鳥ことりが、はやしにきて、いいこえでさえずっていました。また、いけからは、ふもとの村々むらむらへかけるみずながれていました。
愛は不思議なもの (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、村々むらむらは、白々しろじろとしたゆき広野こうやなかに、くろくかすんでえました。
きつねをおがんだ人たち (新字新仮名) / 小川未明(著)