“田舎家”のいろいろな読み方と例文
旧字:田舍家
読み方割合
いなかや84.0%
ゐなかや16.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高いところへ昇って見渡すと、遠い村落に烟りのあがるのが見えたので、急いでそこへたずねて行くと、一軒の田舎家いなかやが見いだされました。
あのリモオジュの田舎家いなかやの壁に掛っていたマリアの図に見つけるほどの聖母らしい面影にも欠けていたことを思い出した。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
地面を広く取つてその中に風流な田舎家ゐなかやを造るです。食物などは東京から取寄せて、それでなくては実は保養には成らん。家が出来てから寛緩ゆつくり遊びに来るです
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
自分は驚いて、あわてて、寝衣ねまきの儘、前の雨戸を烈しく蹴つたが、さいはひにもしきゐみぞが浅い田舎家ゐなかやの戸は忽地たちまちはづれて、自分は一簇いちぞくの黒煙と共に戸外おもてへと押し出された。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)