勃々ぼつ/\)” の例文
永禄元年十月に武蔵守輝国が卒去そっきょしたので、河内介は父の家督を継いで武蔵守輝勝を名告り、今やその勃々ぼつ/\たる雄心に誰も掣肘せいちゅうを加える者がなく
さきには桜癡あうち居士の文壇より入りて歌舞伎座の作者となりしが如き、近く又美妙氏の野心勃々ぼつ/\として禁じ難く、明年早春を以て、念入りの脚本をだすべしと聞けば
劇詩の前途如何 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
が、各々おの/\その懷中くわいちうたいして、憤懣ふんまん不平ふへい勃々ぼつ/\たるものがある。したがつて氣焔きえんおびたゞしい。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうちには、どんな敗局にも勝機が勃々ぼつ/\と動いて来ることがあるのである。
将棋 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)