)” の例文
旧字:
蘇枋咲くと、あふちそよぐと、霜置くとあはれ、一学期二学期よとあはれ、日の照ると、雨ふると、風ふくと、ると起きると、制帽かむる。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
第三句、「夏草の」を現実の景と解する説もあるが、これは、「夏草の靡き」の如きから、「」と「」との同音によって枕詞となったと解釈した。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いつまでも座に一人でいてつれづれな源氏は、夫人との間柄に一抹いちまつの寂しさを感じて、琴をかき鳴らしながら、「やはらかにる夜はなくて」と歌っていた。
源氏物語:08 花宴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
また百人一首の中にも選ばれた——なげきつつ一人る夜の明くるまは、いかに久しきものとかは知る——なんていう男殺しの名歌を詠んだ才媛もそのつぼねにいた程だから
美しい日本の歴史 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ながらふるつま吹く風の寒き夜にわがの君はひとりからむ(謝誉女王)
万葉集の恋歌に就て (新字旧仮名) / 三好達治(著)
思いつつればや人の見えつらん夢と知りせばさめざらまじを、大原は昨夜ゆうべの夢のうつつのこしひとり嬉し顔に朝早く臥戸ふしど洗面場せんめんばいたりてその帰りに隣室の前をすぎけるに、隣室に下宿せる大学の書生二
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
まがつみの世にあることも知らぬげににおえる君を思いつつぞ
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ほととぎすわが独る床ちかく宿りては啼け妻と聞くがに
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
あまたたび目ざめあまたの夢を見ぬ山寺と云ふ処にれど
藪入やぶいりるやひとりの親のそば
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「八月の十日あまり六日にや、秋露に侵されさせ給ひてかくれましましぬと聞えし。るが中なる夢の世、今に始めぬ習ひとは知りながら、かず/\目の前なる心地して、おいの涙もかきあへねば筆の跡さへ滞りぬ」と『神皇正統記』の中で慟哭どうこくして居る。
四条畷の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「もみぢ葉を散らす時雨しぐれるなべにさへぞ寒き一人しれば」(巻十・二二三七)等の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
荒浪の穂立ほだちの空を、とまるすべ、るすべ知らに、ただ飛びて散り散る千鳥。
入日さす鳥羽の松原しら雪のふると見るまで鷺の来て
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
赤土の山平らにていただきにあるも羊のるごとき寺
苅薦かりごも一重ひとへきてされどもきみとしればさむけくもなし 〔巻十一・二五二〇〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
荒浪の穂立ほだちの空を、とまるすべ、るすべ知らに、ただ飛びて散り散る千鳥。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
フラスコに青きリキユールさしよせてればよしなや月さしにけり
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
闇ながら戦盲せんまうの棟は蛙鳴く田をのぼりきりて見ゆ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
今宵はも三五十五夜照る月の光もさやかわがひとり
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
けはなちいるみ山の短夜は養老の滝の音しらみつつ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夕土間の鳥屋とやのはしごにいる鳥七面鳥は肩高く見ゆ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
印旛沼水口いりの細江にる鳥の青頸鴨のこゑはひびけり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
幅広き月の光に在り馴れず我は心もいと細り
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
毛の荒物あらもののことごとに道ふた
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
梢にはるものがある。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)