“水口”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みなくち34.0%
みずぐち29.8%
みずくち14.9%
みづぐち10.6%
みづくち4.3%
みなぐち4.3%
いり2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三人が言い合わせたようにそちらをみやると、水門の水口みなくちのところに、腰打ちかけてこちらを向いている一人の白い姿があるのです。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
水口みずぐちからは水が随分盛んに落ちている。ここで雨さえやむなら、心配は無いがなアと、思わず嘆息せざるを得なかった。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
しきいのきしむ雨戸をこじ明けて、水口みずくちから踏み込むと、半七は先ず第一の獲物えものを発見した。それは野暮な赤い櫛で、土間に落ちていた。
半七捕物帳:60 青山の仇討 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どちらがあたまかわからないが、一方に洗面場の水口みづぐちの螺旋の把手のやうな、そして其よりも大きなものがついてゐて、その下部の脇の方に、真鍮製の小さい口がついてゐた。
フアイヤ・ガン (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
もしびれたか、きゆつときしむ……水口みづくちけると、ちやも、かまちも、だゞつぴろおほきなあな四角しかくならべて陰氣いんきである。引窓ひきまどす、なんかげか、うすあかりに一目ひとめると、くちびるがひツつツた。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そして今年の夏、東海道に各駅伝馬の制が定められ、彦坂小刑部がその事業の宰領にあった縁から、近江の水口みなぐち駅の伝馬問屋へはいり、その検荷役になることができた。
蜆谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
印旛沼水口いりの細江にる鳥の青頸鴨のこゑはひびけり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)