“把出”の読み方と例文
読み方割合
とりだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうも文字もじのようですな。」と、巡査がみかえると、忠一は黙って首肯うなずいたが、やが衣兜かくしから手帳を把出とりだして、一々これを写し始めた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お葉はの洋盃を取って、一息にぐっと飲み干した。重太郎は眼を丸くして眺めていたが、やがて懐中ふところから椿の折枝おりえだ把出とりだして見せた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
もし山𤢖やまわろか。」と、市郎は咄嗟とっさに思い付いた。で、その正体を見定める為に、たもとから燐寸まっち把出とりだして、慌てて二三本った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)