“把手”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ハンドル44.8%
とって30.8%
ノッブ8.4%
とつて7.7%
とりて2.8%
はしゅ1.4%
つまみ0.7%
クランプ0.7%
ノブ0.7%
とツて0.7%
にぎり0.7%
ノップ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五十ぢかいその運転手は、見るも気の毒なくらいおどろき慌てて把手ハンドルを力一杯に廻すと、車体をグルッと廻して大通りの方へ逃げだした。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
Kは把手とってに手を伸ばしかけたが、また引っこめた。もう誰も助けることはできないし、小使たちがすぐやってくるにちがいなかった。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
僅かな力で把手ノッブを捻じられた扉が、音もなく開くと、思いもかけぬ赤い光りの隙間が、彼の鼻の先に、縦に一直線に出来たのであった。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おや/\とおもひながら、なほねんれてつちつてると、把手とつての一のみけて完全くわんぜんなる土瓶どびんであつた。(第三圖イ參照)
丁度何かで不機嫌だつた父は金庫の把手とりてをひねりながらかぎの穴に鍵をキリリと入れて、ヂロツトとその兒を振りかへつた、私はわつと泣いた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
全くヒルミ夫人は、その昔、田内新整形外科術をマスターするために見せた熾烈しれつなる研究態度のそれ以上熾烈な研究慾に燃え、病院のなかに電気メスの把手はしゅを執りつづけたのである。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
が、その直後、把手つまみに腕を衝突させるのが狡策であって、そうすると氷の先が折れて、稜片の胴が、熱のある接触板の一つに触れる。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
把手クランプをまわして見ると、宇宙艇の尾部びぶに明かにそれと読みとれる日の丸の旗印と、相良の会社の銀色マーク。私は歎息たんそくした。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
や! 把手ノブに手をかけたな、引っぱってる、あたってみてるぞ! ははあ、さては奴さん、錠がおりてないつもりでいたんだな! してみると
した破片はへんうちに、内模樣うちもやうのある土器どき内部ないぶ把手とツてゆうするのがある。これなぞも珍品ちんぴんかぞふべしだ。
そして、そのくの字の反対側には、半円形の把手にぎりが附いていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
勇気を鼓して朝飯を食いに行くことにきめたが、予想のつかぬ将来のために、避難所だけは保有しておかねばならぬと思い、把手ノップを握って、扉を揺すり
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)