“把手”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ハンドル46.7%
とって29.6%
ノッブ8.9%
とつて6.7%
とりて3.0%
はしゅ1.5%
つまみ0.7%
クランプ0.7%
ノブ0.7%
にぎり0.7%
ノップ0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
廊下を通って、書斎らしい部屋に行った。その時も我々はドアに手をふれなかった。そればかりではない、そのドアには把手ハンドルが附いていないのだ。
脳波操縦士 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
時としては、把手ハンドルを握つたまま一秒の弛みもなく眼を前方に注いで立つてゐる運轉手の後姿を、何がなしに羨ましく尊く見てゐる事もあつた。
硝子窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
階段の上り降りにすそがよごれるとか、ドアの把手とって袖口そでぐちが引掛かるとかの、新しい建築との折合いが悪いというだけではない。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「どうか扉をあけてください」と、Kは言い、把手とってを引っ張ったが、手ごたえを感じたので、少女たちが外でしっかと押えているのがわかった。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
ところで、それは一本の丈夫な紐なんだ。犯人は、それを把手ノッブとその右寄りの板壁の隙間に挾んだ鍵との間に、六、七寸の余裕を残して張ったのだよ。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
扉は何の締りもしてなかった。僅かな力で把手ノッブを捻じられた扉が、音もなく開くと、思いもかけぬ赤い光りの隙間が、彼の鼻の先に、縦に一直線に出来たのであった。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ばんまでかゝつてやうや土器どきふちでもつたらしいいしと、把手とつて平凡へいぼんなのを二三たばかり。
村長の独眼はじつと窓へ注がれてゐたが、やがて村役人の方へチラと合図をすると同時に、彼の手が戸口の把手とつてのかかつた。
丁度何かで不機嫌だつた父は金庫の把手とりてをひねりながらかぎの穴に鍵をキリリと入れて、ヂロツトとその兒を振りかへつた、私はわつと泣いた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
賭の褒美の一等を、即ち女子を、把手とりてある
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
全くヒルミ夫人は、その昔、田内新整形外科術をマスターするために見せた熾烈しれつなる研究態度のそれ以上熾烈な研究慾に燃え、病院のなかに電気メスの把手はしゅを執りつづけたのである。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
と呻って、把手はしゅから手を放してしまった。
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つまり、把手つまみに続いている絶縁物に稜片の先を挾んで置くので、把手つまみひねると、接触板が微かに触れる程度で点燈される。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
が、その直後、把手つまみに腕を衝突させるのが狡策であって、そうすると氷の先が折れて、稜片の胴が、熱のある接触板の一つに触れる。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
把手クランプをまわして見ると、宇宙艇の尾部びぶに明かにそれと読みとれる日の丸の旗印と、相良の会社の銀色マーク。私は歎息たんそくした。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「こちらに把手クランプがあります。これをねじると、ピントが月の表面からだんだんと地球の方へ近よって来ます。隕石いんせきが飛んでいるのが見えるでしょう。これで二千キロメートルだけ近くなりました。この調子でかえて行きますよ。見えますか。さて、気をつけていて下さい。左下の部分に現われて来るものに……」
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ヴェリチャーニノフは、パーヴェル・パーヴロヴィチの部屋の戸口につっ立って女中の話をききながら、錠のおりてるドアの把手ノブを無意識のうちにひねってみたり、押したり引っ張ったりしていた。
や! 把手ノブに手をかけたな、引っぱってる、あたってみてるぞ! ははあ、さては奴さん、錠がおりてないつもりでいたんだな! してみると、俺が時どきかけ忘れるのを御承知と見えるわい! また把手を引っぱってやがる。
そして、そのくの字の反対側には、半円形の把手にぎりが附いていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
勇気を鼓して朝飯を食いに行くことにきめたが、予想のつかぬ将来のために、避難所だけは保有しておかねばならぬと思い、把手ノップを握って、扉を揺すり、
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)