把手とつて)” の例文
おや/\とおもひながら、なほねんれてつちつてると、把手とつての一のみけて完全くわんぜんなる土瓶どびんであつた。(第三圖イ參照)
と、その男は罵りつづけながら、行きあたりばつたりの一軒の家に近づいて、その窓の前に立ちどまると、木の把手とつてでも捜すやうに窓硝子を指で撫でまはしはじめた。
さうして興味に燃えながら、微笑を顏中に漂はせて、勢よく扉の把手とつてに手をかけてそれを引いた。
嘘をつく日 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
じんき(白い綿を胡瓜きうりの小ひさなのぐらゐにしたもの)は長く母の左手で絲になつて伸びると、右の手で𢌞してゐた車が、チヨンと把手とつてを鳴らす音とともに、つみに卷き着く絲の玉は
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
愈々いよいよ開業となつてからは、其店そこの大きい姿見が、村中の子供等の好奇心を刺戟したもので、お定もよく同年輩おないどしの遊び仲間と一緒に行つて、見た事もない白い瀬戸の把手とつてを上にねぢり下に捻り
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そのさかづきは頑丈な陶器で出来て居て側面に王冠の模様を焼附け、同じく頑丈な把手とつてと蓋とが附いて居る。階上の室には音楽の壇があつて独逸ドイツの名家の曲を初め各国の音楽がいり替はり奏せられる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
今回の挿圖中右の上のすみの三個と右の下の隅の一との他、周圍しうゐに寫したるものは總て土器の把手とつてなり。其かたちもん實に名状めふでうすべからず。コロボックル美術びじゆつ標本ひようほんたるの價値かちよく充分なりと云ふべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
きやしやな翡翠ひすゐ把手とつて
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
把手とつてでもあるかと、そろ/\つてると、把手とつてには相違さうゐないが、それは土瓶どびんのツルカケのと、それにせつして土瓶どびんくち
村長の独眼はじつと窓へ注がれてゐたが、やがて村役人の方へチラと合図をすると同時に、彼の手が戸口の把手とつてのかかつた。と、不意に往来で叫び声があがつた……。
銀の把手とつてに置きながら
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
がツかりしてかへつて、食卓しよくたくにつきながら、把手とつて一箇ひとつ家人かじんしめして、これがめて土偶どぐうかほでもつたら、昨日きのふ敗軍はいぐん盛返もりかへすものをとつぶやくと
「ぢやあ、いつそうちにをることにしようか。」と、扉の把手とつてを握りながら、教父クームが答へた。
其後そののち望生ぼうせいが、土偶變形どぐうへんけいともるべき一把手とつてゆうする土器どき(第三圖ロ參照)其他そのた土器どきし。また土器どきを三ばかりした。幻翁げんおう大分だいぶした。
その時、戸口の木の把手とつてがことりと𢌞つた。ギイつといふ音といつしよに戸があいた。
ばんまでかゝつてやうや土器どきふちでもつたらしいいしと、把手とつて平凡へいぼんなのを二三たばかり。
打石斧だせきふ磨石斧ませきふ石鏃せきぞく把手とつて破片はへん土瓶どびんくち、そんなものは、どのくら數多かずおほ採集さいしふしたかれぬが、發掘はつくつをしてこといので、茶店ちやみせ息子むすこかいして、地主ぢぬし政右衞門まさうゑもんといふひと
發掘品はつくつひんとしては三十六ねんぐわつ十九にちに、活東子くわつとうし方形裏模樣はうけいうらもやう土器どきし、望蜀生ぼうしよくせいが、どうぐわつ二十二にち壺形土器つぼがたどきし、玄川子げんせんし土偶どぐうあしと、第二圖だいにづニのごとき、めづらしく複雜ふくざつなる把手とつてし。