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濕
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ぬ
ふりがな文庫
“
濕
(
ぬ
)” の例文
新字:
湿
その
濕
(
ぬ
)
れた小犬を山の上の掛茶屋の柱に鎖で繋いでおいて、二人は踏んでも歩けそうな目の下一面の若楓を眺めて半日暮らしたりした。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
焔
(
ほのほ
)
の
下
(
した
)
をくゞるときは、
手拭
(
てぬぐひ
)
にて
頭部
(
とうぶ
)
を
被
(
おほ
)
ふこと。
手拭
(
てぬぐひ
)
が
濕
(
ぬ
)
れてゐれば
猶
(
なほ
)
よく、
座蒲團
(
ざぶとん
)
を
水
(
みづ
)
に
浸
(
ひた
)
したものは
更
(
さら
)
によし。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
家を
𢌞
(
めぐ
)
る樹木の
濕
(
ぬ
)
れた木の葉の面は一枚々々滴る雫と共に
黄金
(
こがね
)
のやうに輝いてゐる。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
庭先には
杜若
(
かきつばた
)
の咲いてゐる池があつて、腰元の幽靈はその池の底から浮き出したらしく、髪も着物も酷たらしく
濕
(
ぬ
)
れてゐた。幽靈の顔や形は女小兒を
悸
(
おび
)
えさせるほどに物凄く描いてあつた。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「その時堂の中は
濕
(
ぬ
)
れてゐたと言ひましたね」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
船の中からみのるは思ひ出の多い堤を見た。櫻時分の雨の土堤にはなくてならない背景の一とつの樣に、茶屋の
葭簀
(
よしず
)
が
濕
(
ぬ
)
れしよぼれた淋しい姿を曝してゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
花見の人々
濕
(
ぬ
)
れながら走り出で、
上下
(
かみしも
)
へ入る。みな/\空を見る。
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
煙
(
けむり
)
に
卷
(
ま
)
かれたら、
地面
(
ぢめん
)
に
這
(
は
)
ふこと、
濕
(
ぬ
)
れ
手拭
(
てぬぐひ
)
にて
鼻口
(
はなくち
)
を
被
(
おほ
)
ふこと。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
熊藏 おれはずぶ
濕
(
ぬ
)
れ、どうせ
自棄
(
やけ
)
だ。
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
娘二 いつそもう
濕
(
ぬ
)
れて歸らうか。
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
濕
部首:⽔
17画
“濕”を含む語句
濕氣
濕々
濕地
陰濕
生濕
薄濕
濕布
濕生
千本濕地
迦濕彌羅
濕雜巾
濕衾
濕臭
濕聲
打濕
濕熱
半濕
濕地蕗
濕地熱
卑濕
...