“濕地”のいろいろな読み方と例文
新字:湿地
読み方割合
しつち75.0%
ヤチ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また、それだけにつりがうまい。素人しろうとにはむづかしいといふ、鰻釣うなぎつり絲捌いとさばきはなかでも得意とくいで、一晩ひとばん出掛でかけると濕地しつち蚯蚓みゝず穿るほどひとかゞりにあげてる。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
またたに濕地しつちや、たき湖沼こしよう附近ふきんには、特殊とくしゆ草木そうもくがしげり、高原こうげんにはそこにのみそだ植物しよくぶつがはえてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
この原野全體が濕地ヤチであるのだから、その全體を乾燥させる爲めの大排水工事をしない以上は、かれが動かす鍬さきから、不毛の濕りが
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
そして多くの人々の返り見ない、こんな泥炭の大濕地ヤチにも、小開墾者が寂しく住んでゐるのかと思ふと、そのともし火は義雄自身の樣な一文なしの寂しみを表してゐる。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)