濕地ヤチ)” の例文
新字:湿地
この原野全體が濕地ヤチであるのだから、その全體を乾燥させる爲めの大排水工事をしない以上は、かれが動かす鍬さきから、不毛の濕りが
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
そして多くの人々の返り見ない、こんな泥炭の大濕地ヤチにも、小開墾者が寂しく住んでゐるのかと思ふと、そのともし火は義雄自身の樣な一文なしの寂しみを表してゐる。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)