綿カボック)” の例文
怒鳴り疲れた妻が一寸ちょっと息を切って椰子水に咽喉を潤おす段になって、やっと、今迄盛んに空中に撒き散らされた罵詈が綿カボックの木の棘の様にチクチクと彼の皮膚を刺すのを感じた。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)
綿カボックの木と椰子との密林を行けば、地上に淡紅色の晝顏が點々として可憐だ。