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嵩
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たか
ふりがな文庫
“
嵩
(
たか
)” の例文
それがあまりに息詰まるほど
嵩
(
たか
)
まると彼女はその
嵩
(
かさ
)
を心から離して感情の技巧の手先で犬のように綾なしながら、うつらうつら若さをおもう。
家霊
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
舟の落下につれて、洞内の温度が急激に
嵩
(
たか
)
まっていく。一時間の終りごろになると、誰も彼も汗みずくになって、犬のように舌を出してハアハアと喘ぎはじめた。
地底獣国
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
けさの記憶のまだ
生々
(
なまなま
)
しい
部屋
(
へや
)
の中を見るにつけても、激しく
嵩
(
たか
)
ぶって来る情熱が妙にこじれて、いても立ってもいられないもどかしさが苦しく胸に
逼
(
せま
)
るのだった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
お師匠さんの
仰言
(
おっしゃ
)
る通り、じっと
怺
(
こら
)
えて、いざと言う場合まで、自分の力を養って行く他はないのだ。気を
嵩
(
たか
)
ぶらせてはならぬ。女の子のように、めそめそしてはならぬ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
すべての感覚が解放され、物の微細な色、
匂
(
にお
)
い、音、味、意味までが、すっかり確実に知覚された。あたりの空気には、
死屍
(
しし
)
のような臭気が充満して、気圧が刻々に
嵩
(
たか
)
まって行った。
猫町:散文詩風な小説
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
私の顔色は青く、脈搏は
嵩
(
たか
)
まったであろう。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
女道楽をはじめとして私行的の道楽なら、いくら金を使っても池上の
身上
(
しんしょう
)
としては
嵩
(
たか
)
が知れたものである。たゞ事業の道楽をやられては怖い。父の理兵衛がよい手本である。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
なんだ西洋とてそんなものかと
嵩
(
たか
)
を
括
(
くく
)
らせはしたが当時モダンの名に於て新味と時代適応性を
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
病床に
臥
(
ふせ
)
がちな次姉はこの噂に神経を
嵩
(
たか
)
ぶらせて衰弱して死んだ。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
嵩
漢検準1級
部首:⼭
13画
“嵩”を含む語句
水嵩
嵩高
荷嵩
気嵩
嵩山
金嵩
年嵩
嵩張
一嵩
亀嵩
皇甫嵩
曹嵩
嵩間
嵩谷
嵩張物
御嵩
嵩山正直
嵩山寺
嵩増
姥嵩
...