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引裂
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ひっさ
ふりがな文庫
“
引裂
(
ひっさ
)” の例文
文治は
突然
(
いきなり
)
おあさの
髻
(
たぶさ
)
を取って二畳の座敷へ引摺り込み、此の口で不孝を
哮
(
ほざ
)
いたか、と云いながら口を
引裂
(
ひっさ
)
き
肋骨
(
あばらぼね
)
を
打折
(
ぶちお
)
り
酷
(
ひど
)
い事をしました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかしこの感謝状のために、血のある奴らが
如彼
(
あんな
)
に騒ぐ。殺せの、撲れのといふ
気組
(
きぐみ
)
だ。うむ、やつぱり取つて置くか。
引裂
(
ひっさ
)
いて踏むだらどうだ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
悪人の
臓腑
(
ぞうふ
)
を引出して
遣
(
や
)
ろうと、虎も
引裂
(
ひっさ
)
く気性の文治郎、
耐
(
こら
)
え兼て次の間にあります一刀に目を付けるという、これからが喧嘩になります。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
引裂
(
ひっさ
)
いて踏んだらどうだ。そうすりゃちっとあ念ばらしにもなって、いくらか
彼奴
(
あいつ
)
らが合点しよう。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
曲者はこれを取られてはならんと一生懸命に取返しにかゝる、
遣
(
や
)
るまいと争う機みに、何ういう拍子か手紙の
半
(
なかば
)
を
引裂
(
ひっさ
)
いて、ずんと
力足
(
ちからあし
)
を踏むと
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「味が違います……酔覚めの煙草は蝋燭の火で
喫
(
の
)
むと
極
(
きま
)
ったもんだ。……だが……心意気があるなら、鼻紙を
引裂
(
ひっさ
)
いて、
行燈
(
あんどん
)
の火を燃して取って、
長羅宇
(
ながらう
)
でつけてくれるか。」
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
常は虎も
引裂
(
ひっさ
)
く程の剛敵なる気性の文治郎ゆえ、捨置き
難
(
がた
)
き奴、彼を助けて置かば、此の道場へ稽古に来る近所の
旗下
(
はたもと
)
の次男三男も此の悪事に染り
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
多時
(
しばらく
)
思入った風であったが、ばさばさと
引裂
(
ひっさ
)
いて、くるりと丸めてハタと向う見ずに
投
(
ほう
)
り出すと、もう一ツの柱の
許
(
もと
)
に、その
蝙蝠傘
(
こうもり
)
に掛けてある、主税の
中折帽
(
なかおれ
)
へ留まったので
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お秋の方のお腹の菊之助様をお
世嗣
(
よとり
)
に仕ようと申す
計策
(
たくみ
)
ではないかと存ずる、其の際此の
密書
(
ふみ
)
を中ば
引裂
(
ひっさ
)
いて逃げましたところの松蔭大藏の
下人
(
げにん
)
有助と申す者が
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
婀娜
(
あだ
)
たる声、障子を開けて顔を出した、水色の
唐縮緬
(
とうちりめん
)
を
引裂
(
ひっさ
)
いたままの
襷
(
たすき
)
、玉のような
腕
(
かいな
)
もあらわに、
蜘蛛
(
くも
)
の
囲
(
い
)
を
絞
(
しぼ
)
った
浴衣
(
ゆかた
)
、帯は
占
(
し
)
めず、
細紐
(
ほそひも
)
の
態
(
なり
)
で
裾
(
すそ
)
を
端折
(
はしょ
)
って、布の純白なのを
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼻を
摘
(
つま
)
まれるのも知れねえ
深更
(
よふけ
)
で、
突然
(
いきなり
)
状箱へ手を掛けやアがッたから、奪られちゃアならねえと思いやして、引張ると紐が切れて、手紙が
落
(
おっ
)
こちる、とうとう半分
引裂
(
ひっさ
)
かれたから
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
初手
(
しょて
)
は若い男ばかりに利いたが、だんだん
老人
(
としより
)
にも及ぼして、後には
婦人
(
おんな
)
の病人もこれで
復
(
なお
)
る、復らぬまでも
苦痛
(
いたみ
)
が薄らぐ、
根太
(
ねぶと
)
の
膿
(
うみ
)
を切って出すさえ、
錆
(
さ
)
びた小刀で
引裂
(
ひっさ
)
く医者殿が腕前じゃ
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
裂
常用漢字
中学
部首:⾐
12画
“引裂”で始まる語句
引裂紙