たづさ)” の例文
同行者は「渋江夫婦、小野親子、多多羅、有馬、てる、なべ町娘ちやうむすめ」と記してある。渋江抽斎のたづさへて往つた妻は比良野氏威能ゐので、前年己丑にとついで、次年辛卯には死ぬる女である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「五十日のあひ/\はか参二人つれにて、もふくにて参候。」わたくしは此辺の文を省いたが、「二人つれにて」は復醇の二子をたづさへて往つたのである。わたくしは母子の「三人づれ」と解する。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)