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とつ
鰌とは
違つて
此れは
彼の
手にも
僅づゝは
採ることが
出來た。
少しづゝ
採ては
毎日のやうに
蓄へた。おつぎは
茶を
沸す
度にそれを
灰の
中へ
投げ
込んで
燒いてやる。
其中腹が
空て
來たと
見えてラクダルは
面倒臭さうに手を
伸して
無花果を
採て
口に
入れた。
然し
少年は
見向きもしないし
手も
伸さないばかりか、
木實が
身體の
傍に
落ちてすら
頭もあげなかつた。