“とり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トリ
語句割合
32.2%
22.5%
12.6%
11.7%
7.6%
3.3%
1.6%
1.0%
0.6%
真打0.4%
0.4%
止利0.4%
肚裡0.4%
0.3%
鶏肉0.3%
小鳥0.3%
肚裏0.3%
野禽0.3%
鳥肉0.3%
0.3%
鷄肉0.3%
0.1%
収穫0.1%
0.1%
孔雀0.1%
家鶏0.1%
徴收0.1%
0.1%
0.1%
牝鶏0.1%
0.1%
獵禽0.1%
禽鳥0.1%
西北0.1%
0.1%
0.1%
雄鶏0.1%
飛者0.1%
0.1%
0.1%
鶏鳴0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いやいや、」ととりった。「ただじゃア、二は、うたいません。それとも、その石臼いしうすくださるなら、もう一うたいましょう。」
春はまだ浅き菜畠、白きとり日向あさるを、水ぐるままはるかたへの、窻障子さみしくあけて、わらべひとり見やれり、の青き菜を。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
男のかたに自由選択の権利ある現在の状態では夫婦になって始めてその妻に不満をいだきこれを虐待するなどという事は、とりも直さず自分を
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
大鷲おおとり神社の傍の田甫の白鷺しらさぎが、一羽ち二羽起ち三羽立つと、明日のとりまちの売場に新らしく掛けた小屋から二三にんの人が現われた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
夕月淡く柳がくれの招き行燈あんどに飛ぶとり落とす三遊亭圓朝が一枚看板、八丁荒しの大御所とて、いずくんぞ沙弥しゃみより長老たり得べけむや。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
勘次かんじわざ卯平うへいせつけるやうとやいたときとりかごせて、戸口とぐち庭葢にはぶたうへに三も四いたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
よくるとハコべのわかいのだったので、ア、コリャ助からない、とりじゃあ有るまいし、と手に残したのを抛捨なげすてると、一同みんながハハハと笑った。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
とりなしもらひ又お專か村方の組合も出て與惣次共々とも/″\種々しゆ/″\命乞いのちごひ嘆願たんぐわんにおよびけれども何分其事かなはず其中に七日八日隙取ひまどりければ早傳吉はつみおちて昌次郎夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とり玄關げんくわん敷臺しきだい掃出はきだしながら如何に相手が青年にさいでも日がない故とぼけるにも餘程ほねをれたはへしかし五十兩の仕業しごとだからアノ位なる狂言きやうげんはせにや成舞なるまひと長庵はひとり微笑みつゝ居たりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
青山南町の久保本という中流の寄席だったが、そこから一月の下席しもせき、圓朝の道具噺を真打とりにして打ってみたいという交渉があった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
売茶翁ちやをうるおきなに問ば、これは山蔭やまかげの谷にあるなり、めしたまはゞすゝめんといふ。さらばとてひければおきな菜刀なきりはうてうとりさらのなかへさら/\とおとしてけづりいれ、豆のをかけていだせり。
伝説的に最古の仏師と目せられる鞍作くらつくり止利とりが個人の名を残しているだけで、他に一名もわが名を残そうとして仏像や建築に署名した者も居らぬ。
飛騨の顔 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
この曲玉は馬琴ばきんが、八犬伝はっけんでんの中で、八百比丘尼妙椿やおびくにみょうちんを出すのに借用した。が、垂仁朝すいにんちょうの貉は、ただ肚裡とり明珠めいしゆを蔵しただけで、後世の貉の如く変化へんげ自在をきわめた訳ではない。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さけ時節じせつにて、小千谷をぢや前川ぜんせんは海にてうするの大河なれば今とりしをすぐに庖丁はうちやうす。あぢはひ江戸にまされり。一日さけをてんぷらといふ物にしていだせり。
「まあ、何為なぜでも宜うございますから、それでは鶏肉とりに致しませうか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
此話に拠ると、会津に蒲生氏郷を置こうというのは最初から秀吉の肚裏とりに定まって居たことで、入札はただ諸将の眼力を秀吉が試みたということになるので、そこがちといぶかしい。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そのかはり、彼女のすることなすことは、一々その外貌にまつたく似つかはしく、舟を漕がせれば、どんな猟師もかなはないくらゐ巧みに櫂をあやつるし、野禽とりも射てば、草刈人夫も厳重に見張る。
「三吉は何が好い。鳥肉とりでも食うか」と復た彼は弟を顧みて言った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
先頃からそれがしもつらつら思うに、枳棘叢中ききょくそうちゅう鸞鳳らんほうむ所に非ず——と昔からいいます。いばらからたちのようなトゲの木の中には良いとりは自然栖んでいない——というのです。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だつてさ、蝦夷山鳥の入つたソースとか、鷄肉とり翼下はねしたのローストでも食べさせて貰へなかつたら……それこそ、あたし、どうなるか分らないと思つてよ。お粥にソースをかけたのだつて美味おいしいわ。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
浮上うちやがとて見ゆるとり伊平屋いへや嶽の如くに
首里城 (新字旧仮名) / 世礼国男(著)
いつたい一町歩からそくにしてどの位お収穫とりになりますか、ひとつ承はり度う存じますが。
みぎ相濟あひすみ屑屋長八は娘お幸のもどりしを喜びやがむことりて小切店に商賣替しやうばいがへをなし家内益々繁昌はんじやうしけるとぞ又大橋文右衞門は心懸こゝろがけ天晴あつぱれなる者につき目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
印度インドなる葉廣はびろ菩提樹の蔭にしてひろげ誇らむこの孔雀とり羽尾はね
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
家鶏とりの啼いた方角から、今度は、犬の吠え声が聞こえて来た。祭礼の夜である、夜盗などの彷徨さまよう筈はない、参詣帰りの人が、遅く、その辺を通るからであろう。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
やう文句もんくで、隨分ずゐぶん奇妙きめうな、おそらくは新派しんぱ先生せんせい一派いつぱから税金ぜいきん徴收とりさうなではあつたが、つきあきらかに、かぜきよ滊船きせん甲板かんぱんにて、大佐たいさ軍刀ぐんたうつか後部うしろまはし、その朗々らう/\たる音聲おんせいにて
禪師ぜんじ見給みたまひて、やがて禪杖ぜんぢやうとりなほし、作麽生そもさん何所爲なんのしよゐぞと一喝いつかつして、かれかうべうちたまへば、たちまちこほり朝日あさひふがごとせて、かの青頭巾あをづきんほねのみぞ草葉くさばにとゞまりける。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
谷間たにあひゆゑ雪のきゆるも里よりはおそくたゞ日のたつをのみうれしくありしに、一日あるひあなの口の日のあたる所にしらみとりたりし時、熊あなよりいで袖をくはへて引しゆゑ
マニーロフはやって来るなり牝鶏とりを煮てくれと言いつけ、犢の肉はないかと訊く、羊の肝臓があれば早速それも注文するが、どれにもちょっと手をつけるだけだ。
とりちからおよがたく、無念むねんのむ瞋恚しんい
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
カスタアドや乾酪チイズのお菓子や佛蘭西の饅頭菓子を製造つくつたり、獵禽とりの翼や足を縛つたり、デザァトのあしらひのつくり方なんかを教はつてゐた。
その音が、この小さな島の中の、禽鳥とり昆虫むしを一時に飛び立たせて、遠い海中わだなかに消えて行きました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
始めは鴨居から西北とりで一里半も沖へ出たろう、あの通り烈しい風であったが風が東南風いなさに変って元の所へ来たのだ、鴨居よりはと寄っているが、師匠此所こゝ真堀村まほりむらちげえねえ
花は、率直そっちょくにいえば生殖器せいしょっきである。有名な蘭学者らんがくしゃ宇田川榕庵うだがわようあん先生は、彼のちょ『植学啓源けいげん』に、「花は動物の陰処いんしょごとし、生産蕃息はんそくとりて始まる所なり」
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
半日ほど水に浸してから引き上げて、きれいに水の切れたところで、その黒い外皮をるのが「粗皮とり」だった。
和紙 (新字新仮名) / 東野辺薫(著)
コンドゥラート神父の梵妻おだいこくのうちへ豚の姿で飛び込んで雄鶏とりの鳴き声をあげておいて、神父の帽子を頭にかぶりざま、もと来た方へ駈け去つただのと……。
庵主あんじゅは、魚面人身ぎょめんじんしん、よく幻術を行のうて、存亡自在、冬、雷を起こし、夏、氷を造り、飛者とりを走らしめ、走者けものを飛ばしめるといううわさである。悟浄はこの道人に月仕えた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
よし十万坪といふ限られた世界に侏儒のやうな生活を営むとはいへ、せめて精神だけは大空をあまかけるとりでありたいのだ。
柊の垣のうちから (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
妻が夫を忘れたときに鏡の破片がとりになつて夫に告げたといふことや、相思さうしといふ女が男を戀ひ慕つて墓へ參り、木となつてしまつたが、それが相思樹さうしじゆといふのだとか
注 「鶏鳴く」は前にも説明したごとく「鶏鳴とりの刻」で、夜半十二時より午前三時に至る刻である。「鶏鳴く前」は「鶏鳴の刻の過ぎ去らぬ前に」の意。
耳澄まし暫く聞けばとり
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)