真打とり)” の例文
旧字:眞打
いよいよ世間は騒々しくなってきていたが、いよいよ薄気味悪いほど寄席のお客は増えていた、いわんや圓朝の真打とり席においておや。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
青山南町の久保本という中流の寄席だったが、そこから一月の下席しもせき、圓朝の道具噺を真打とりにして打ってみたいという交渉があった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
……なるほどうちの阿父さんの師匠だけあって、今夜の真打とりの文楽師匠はまだしらないけれど、こんなに巧い噺ってものが世の中にはあるのかしら。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
これも名高い日本橋の木原店きはらだなの寄席で私に三月、真打とりをとらせてくれるという話がふって湧きました。
初看板 (新字新仮名) / 正岡容(著)
大真打の言ったら真打とりの自分ただひとりで、あとは皆、中どころの看板ばかりだ。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)