とり)” の例文
先駆が通って、しばらくすると、彼方からおん輿の屋根にきらめく金色のとりがゆらゆら見えて来た。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先頃からそれがしもつらつら思うに、枳棘叢中ききょくそうちゅう鸞鳳らんほうむ所に非ず——と昔からいいます。いばらからたちのようなトゲの木の中には良いとりは自然栖んでいない——というのです。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)