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鷄
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とり
ふりがな文庫
“
鷄
(
とり
)” の例文
新字:
鶏
落葉や
鷄
(
とり
)
の糞で汚れた小庭へ下りて久し振りで築山へも登つたが、昔の庭下駄は歩きつけない足にも重くつて、
直
(
ぢ
)
きに息苦しくなつた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
態
(
わざ
)
と
卯平
(
うへい
)
へ
見
(
み
)
せつける
樣
(
やう
)
に
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
塒
(
とや
)
に
就
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
其
(
そ
)
の
鷄
(
とり
)
を
籠
(
かご
)
に
伏
(
ふ
)
せて、
戸口
(
とぐち
)
の
庭葢
(
にはぶた
)
の
上
(
うへ
)
に三
日
(
か
)
も四
日
(
か
)
も
置
(
お
)
いたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
又或は
何處
(
どこ
)
かの
家
(
うち
)
で
鷄
(
とり
)
の
夜啼
(
よなき
)
をするのが淋しく聞えたり、それから又、何者だか
解
(
わか
)
らないが、見上げるやうな大きな
漢子
(
をとこ
)
が足音もさせないで
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
二時
(
にじ
)
を
過
(
す
)
ぎても
鷄
(
とり
)
の
聲
(
こゑ
)
も
聞
(
きこ
)
えない。
鳴
(
な
)
かないのではあるまい。
燃
(
も
)
え
近
(
ちか
)
づく
火
(
ひ
)
の、ぱち/\/\、ぐわう/\どツと
鳴
(
な
)
る
音
(
おと
)
に
紛
(
まぎ
)
るゝのであらう。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
獰惡
(
だうあく
)
な
野良猫
(
のらねこ
)
、お
隣
(
とな
)
りの
鷄
(
とり
)
を
全滅
(
ぜんめつ
)
させた
惡
(
わる
)
いヤツ、
家
(
うち
)
の
鯛
(
たひ
)
をさらつた
盜癖
(
とうへき
)
のある
畜生
(
ちくせう
)
、それが
産
(
う
)
んだ
兒
(
こ
)
は、このやさしい
美
(
うつく
)
しいニヤン
公
(
こう
)
である。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
▼ もっと見る
下人はとうとう、老婆の
腕
(
うで
)
をつかんで、無理にそこへ
扭
(
ね
)
ぢ
倒
(
たほ
)
した。丁度、
鷄
(
とり
)
の脚のやうな、骨と皮ばかりの腕である。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
食は麥飯を少々づつ、其外
鷄
(
とり
)
等格別
膏氣
(
あぶらけ
)
之なきものを食用にいたし、
成丈
(
なるたけ
)
米抔は勿論五穀を不
レ
食樣との事に御座候。肉は
却而
(
かへつて
)
膏には不
二
相成
一
候由。
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
さう
斯
(
か
)
うしてゐると、
何所
(
どこ
)
かで
鷄
(
とり
)
の
聲
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
又
(
また
)
少時
(
しばらく
)
すると、
下駄
(
げた
)
の
音
(
おと
)
を
高
(
たか
)
く
立
(
た
)
てゝ
徃來
(
わうらい
)
を
通
(
とほ
)
るものがあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は例の麻袋を肩にかけて、片手には一羽の
鷄
(
とり
)
をさげていた。鷄の喉からはなまなましい血が流れ出していた。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
誇る時に不思議や馬の太腹我腰のあたりに
鷄
(
とり
)
の啼聲す顧みれば
鷄
(
とり
)
はなく若き男葉付の竹を杖にして
莞爾
(
にこつき
)
居たり
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
書齋
(
しよさい
)
の
前
(
まへ
)
の
小庭
(
こには
)
は
奇麗
(
きれい
)
に
掃除
(
さうぢ
)
がして
有
(
あ
)
つて、
其處
(
そこ
)
へは
鷄
(
とり
)
も
入
(
い
)
れないやうにしてあります。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
頸
(
うなじ
)
は
鷄
(
とり
)
に似て
鬣髪
(
たてがみ
)
膝を過ぎ、
宛
(
さな
)
がら竜に異ならず、四十二の
旋毛
(
つむじ
)
は巻いて脊に連なり、毛の色は白藤の白きが如しと講釈の修羅場では読むという結構な馬に、
乗人
(
のりて
)
が乗人ですから
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
君をいのるみちにいそげば
神垣
(
かみがき
)
にはや時つげて
鷄
(
とり
)
も鳴くなり 津守國貴
愛国百人一首評釈
(旧字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
脊に負ひて霰小紋の
兩
(
もろ
)
つばさほろほろ
鳥
(
てう
)
は聲ふくむ
鷄
(
とり
)
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
遠い田舍の自然からよびあげる
鷄
(
とり
)
のこゑです
青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
いづこにか
鷄
(
とり
)
の聲はるかに聞え
一点鐘
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
風にせはしい
風見
(
かざみ
)
の
鷄
(
とり
)
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
鷄
(
とり
)
は
鷄
(
とり
)
とし並び食ひ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
卯平
(
うへい
)
は
清潔好
(
きれいずき
)
なのでむつゝりとしながら
獨
(
ひとり
)
で
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
には
草箒
(
くさばうき
)
で
土間
(
どま
)
の
軒
(
のき
)
の
下
(
した
)
を
掃
(
は
)
いては
鷄
(
とり
)
が
足
(
あし
)
の
爪
(
つめ
)
で
掻
(
か
)
き
亂
(
みだ
)
した
庭葢
(
にはぶた
)
の
周圍
(
あたり
)
をも
掃
(
は
)
きつけて
置
(
お
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
食事は監理部へ
貰
(
もら
)
いに行って、米は一人について一日分が六合、ほかに罐詰などの副食物をくれるのですが、時には生きた
鷄
(
とり
)
や
生
(
なま
)
の野菜をくれることがある。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あらず、
碧
(
あを
)
く
白
(
しろ
)
き
東雲
(
しのゝめ
)
の
陽
(
ひ
)
の
色
(
いろ
)
に
紅
(
くれなゐ
)
に
冴
(
さ
)
えて、
其
(
そ
)
の
眞黒
(
まつくろ
)
な
翼
(
つばさ
)
と
戰
(
たゝか
)
ふ、
緋
(
ひ
)
の
鷄
(
とり
)
のとさかに
似
(
に
)
たのであつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
親父
(
おやぢ
)
といふは
煙管
(
パイプ
)
の
旋盤細工
(
ろくろざいく
)
を
業
(
げふ
)
として居る
者
(
もの
)
で、
鷄
(
とり
)
の
鳴
(
な
)
く時から日の
晩
(
くれ
)
るまで
旋盤
(
ろくろ
)
の
前
(
まへ
)
を
動
(
うご
)
いたことのない程の、ブリダア
市
(
まち
)
では
珍
(
めづ
)
らしい
稼人
(
かせぎにん
)
であるから、
兒童
(
こども
)
の
言
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
を
承知
(
しようち
)
する
筈
(
はず
)
もない。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
口に當ると思ふト
鷄
(
にはとり
)
の
鳴
(
なく
)
音
(
ね
)
をなす其の妙なること二三度は誠の
鷄
(
とり
)
と聞捨て四五度目に至り怪しや人家なき此の山中にと氣付きて始めて此男の
徒
(
いたづ
)
らと知りしなり東京に猫八とて犬猫より
鷄
(
とり
)
烏の眞似を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
鳩
(
はと
)
鳶
(
とんび
)
雀うぐひす
矮雞
(
ちやぼ
)
の
鷄
(
とり
)
この朝
聽
(
き
)
けばいろいろの鳥
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
遠い田舍の自然から呼びあげる
鷄
(
とり
)
のこゑです
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「
座敷
(
ざしき
)
へ
上
(
あが
)
つたら
煙管
(
きせる
)
打
(
ぶ
)
つゝけたんだ。そんで
俺
(
お
)
れ
煙管
(
きせる
)
とつてやつたんだ」
勘次
(
かんじ
)
は
餌料
(
ゑさ
)
を
撒
(
ま
)
いて
鷄
(
とり
)
を
聚
(
あつ
)
めて
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
講釋師
(
かうしやくし
)
の
言
(
い
)
ふ、
槍
(
やり
)
のつかひてに
呪
(
のろ
)
はれたやうだがと、ふと
見
(
み
)
ると、
赤煉蛇
(
やまかゞし
)
であらう、たそがれに
薄赤
(
うすあか
)
い、
凡
(
およ
)
そ
一間
(
いつけん
)
、
六尺
(
ろくしやく
)
に
餘
(
あま
)
る
長蟲
(
ながむし
)
が、
崖
(
がけ
)
に
沿
(
そ
)
つた
納屋
(
なや
)
に
尾
(
を
)
をかくして、
鎌首
(
かまくび
)
が
鷄
(
とり
)
に
迫
(
せま
)
る
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
レグホンの雄の
鷄
(
とり
)
の、あはれそがけたたましさよ。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鷄
(
とり
)
や
犢
(
こうし
)
の聲さへも霞の中にきこえる。
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
どこを風見の
鷄
(
とり
)
が見てゐるのか
青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
どこを風見の
鷄
(
とり
)
が見てゐるのか
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
“鷄”の意味
《名詞》
にわとり。
(出典:Wiktionary)
鷄
部首:⿃
21画
“鷄”を含む語句
鷄肉
軍鷄
雄鷄
牝鷄
葉鷄頭
鷄卵
鷄冠
水鷄
鷄頭
牡鷄
軍鷄籠
鷄屋
鷄婚
黄鷄頭
東鷄冠山
鬪鷄
養鷄所
養鷄場
雛鷄
還羅鷄籠
...