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夙
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とつ
ふりがな文庫
“
夙
(
とつ
)” の例文
「つまらないことを云つてゐる。
然
(
しか
)
しそれなら君は何故結婚しないんだ。君の云ふやうだと
夙
(
とつ
)
くに結婚してゐて好い筈ぢやないか。」
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
あの改革案が岩村男の
指金
(
さしがね
)
で無かつたら、
夙
(
とつ
)
くの
往昔
(
むかし
)
に文部省の方でも取りあげてゐたに相違ないといふのは、少しく美術界の消息に通じてゐる者の誰しも首肯する所だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
尤も俳優の誰彼は、
夙
(
とつ
)
くに鹿児島行きを聞き込んで、楽みにしてゐるらしいが、たつた一人梅玉だけは熊本の興行を
打
(
う
)
ち
留
(
ど
)
めに、真つ直に帰つて来るものだと思つてゐる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
尤も氏自身も自分が軍医だつたのは、
夙
(
とつ
)
くの
往時
(
むかし
)
に忘れてゐるらしく、
偶
(
たま
)
に人が医者の話でもすると、氏はまだ見ぬ地獄の
取沙汰
(
とりさた
)
でも聞くやうに変な顔をして耳を
傾
(
かし
)
げてゐる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「今日まで原さんが首相になれないのも、事によつたらあの頭の
故
(
せゐ
)
かも知れんて。もしかあれが寺内のやうに禿げてでも居ようものなら、
夙
(
とつ
)
くに首相になつてたかも知れない。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“夙”の解説
夙(しゅく、夙の者、宿の者)は、中世から近世にかけて近畿地方に多く住んでいた賎民。中世の非人身分が分解する際に生じ、被差別部落の起源の多くであったかわたよりも下位でありながら、その差別はそれほど強烈ではなかったといわれる。
(出典:Wikipedia)
夙
漢検準1級
部首:⼣
6画
“夙”を含む語句
夙夜
夙慧
夙川
夙縁
夙昔
夙人
夙起
夙志
夙懟
夙才
馬夙彩
臣夙夜
夙約
夙村
夙望
夙少
夙卒
夙分