“夙慧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅくけい50.0%
しゆくけい25.0%
ませ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
成善の生れた時、岡西玄庵が胞衣えなを乞いに来た。玄庵は父玄亭に似て夙慧しゅくけいであったが、嘉永三、四年の頃癲癇てんかんを病んで、低能の人と化していた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一斎はこれに反して露姫の夙慧しゆくけいを「有物憑焉」となした。わたくしはペダンチツクに一斎の迷信を責めようとはしない。しかし心にその可憐の女児ぢよじを木石視したるをうらみとする。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
級長は卓子テーブルの前に進んだ。校長も、文平も、きつと鋭い眸をこの生徒の顔面おもてに注いだ。省吾なぞから見ると、ずつと夙慧ませた少年で、言ふことは了然はつきり好く解る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)