“とく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
34.2%
21.1%
17.9%
8.8%
6.7%
4.5%
1.1%
利益1.1%
0.8%
0.5%
0.5%
0.5%
禿0.5%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……とはいえ客人は小さいと仰せられ、それがしは大きいという。いずれがやら、いずれが非やら、とくと、見ていただきとう存ずる
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おかしいなあ、おおきななりをして、べいをするなんて……。」と、とくちゃんは、おじさんのかおて、げらげらわらしました。
こま (新字新仮名) / 小川未明(著)
そりゃ他人ひとの災難だから、そちら様は痛くもかゆくもないだろうけれど、芸人が気が腐ったひには慾にもとくにも舞台には立てませんよ。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時過じすぎかれははつとして、このゆめからめた。御米およね何時いつものとほ微笑びせうして枕元まくらもとかゞんでゐた。えたくろなかとく何處どこかへつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それやこれやの關係かんけいで、日本につぽん地震學ぢしんがく開發かいはつくにといはれてゐるのであるが、しか其開發者そのかいはつしやおも人々じんこう外國人がいこくじんとくにイギリスじんであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
と対馬は、こんどこの、日光をお引き受けするについて、家臣をとくして調べさせた日光修覆に関する文献をボツボツと思い出しながら
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
大岡殿おほをかどの粂之進くめのしん白眼にらまれ其方只今たゞいま公邊かみ祿ろく頂戴ちやうだいし御役をつとめ人の理非りひをもたゞす身の上と云ながらまことの火付盜賊は是なる伊兵衞を差置さしおきとがなき喜八をとらとく吟味ぎんみもなくおくじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
規則改正の結果、つまりういうことになったので、予科を経てゆく者より、中学を卒業して入った者の方が二年だけ利益とくをすることになる。
私の経過した学生時代 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
見るに身は細引ほそびきにて縛られ口には猿轡をはめてあり友次郎は見も悼ましくまづしばりし繩を解捨ときすて猿轡さるぐつわをものくるにとく手遲しとお花は友次郎に抱付いだきつき流石さすがに餘處を兼しか聲をも立ず泣けるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かへつとく吉兵衞は宿やどりし山家やまがの樣子何かに付てうたがはしき事のみなればまくらには就けどもやらず越方こしかた行末ゆくすゑのことを案じながらも先刻せんこく主人あるじの言葉に奧の一間を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私はとくに手紙を差上げねばならなかったのでした。実は幾回いくたびも幾回もペンをったのでした。ペンを執りは執りながら、如何どうしても書くことが出来なかったのです。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それこうとく角なきにく真似し歯もなき蝮子が咬まんとするは角あり牙ある親の性を伝えたに相違ないが、くだんのコープの説に拠ると、いずれも最初に衝こう咬もうという一念から牛羊の始祖は角
人々何ぞ直ちに自己の胸臆を叙して思ひのまゝを言はざる、去れど人ありておもひまゝを書かんとして筆をれば、筆忽ち禿とくし、紙をぶれば紙忽ち縮む、芳声はうせい嘉誉かよの手につばして得らるべきを知りながら
人生 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とくおさめて諸を蔵せんか。善賈ぜんこを求めて諸をらんかと。子曰く、之を沽らんかな。我は賈を待つ者なりと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
とらの日のあした鍛冶かじとく起きて 翁
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
盜みし當人のいでざる中は文右衞門の片口かたくちのみにてゆるわけには成り難く尤も百兩の紛失ふんじつは言掛りなしたる久兵衞こそあやしき者なれととく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小山「ウム、そうし給え。では僕が大原君をここへ呼ぼう。ちょいと紙と筆を貸し給え、僕が今手紙を書くから」と紙筆をいて換舌かんぜつとくしたた
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
一体何のために、そんなとくにもならぬ嘘を吐かれたんでしょう。妙な話ですな。……ところが、そういうことになれば、外にもうひとつ異様なことがある。……旦那はお気がつかれませんでしたか。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
とくべし併しながら其方所持のからかさ其場所に捨在すてありし上は其方こそ疑ひなきに非ず依て吟味中入牢じゆらう申付るなりと終に道十郎は入牢の身とこそは成にけれ翌日村井長庵呼出しにて段々だん/\取調とりしらべ有りしに長庵は前に申上し通り傘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)