とく)” の例文
いや、あらためて、とくと、見せてもらおうじゃが、まずこっちへ寄らしゃれ。ええ、今のうたいの、気組みと、そのかた。教えも教えた、さて、習いも習うたの。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大岡殿おほをかどの粂之進くめのしん白眼にらまれ其方只今たゞいま公邊かみ祿ろく頂戴ちやうだいし御役をつとめ人の理非りひをもたゞす身の上と云ながらまことの火付盜賊は是なる伊兵衞を差置さしおきとがなき喜八をとらとく吟味ぎんみもなくおくじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こと/″\き、こと/″\て、さてのちいっ價値ねうちのあるのをらッしゃれ。とくらるゝと、むすめその一人ひとりとしてかずにははひってゐても、勘定かんぢゃうにははひらぬかもれぬ。さゝ、一しょにござれ。
とくと観察するに、壺中の石の配置や光線が網眼に映る工合、蠅を飛び下す小孔の位地から蠅を持ち行きやる人の手の左右など、雑多の事情に応じて、蠅が孔より飛び入る方角趨勢すうせいがほぼ定まりある。
とくと聞かれて嘉川家の一件あらかじめ推量おしはかられ右島と申す女の殺されし事は正月廿五日すぎの事と思はるゝにより當二月二日寺社じしや奉行黒田豐前守ぶぜんのかみより兩奉行所へ掛合かけあひありしせつの帳面を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あがなふに足るべきか心をしづめてとくと思案を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)