“禿(とく)” の例文
四軒茶屋あり。(此まで廿四丁也。)蕨粉(わらび)餅を売る、妙なり。又上ること一里許(きよ)、山少くおもむろに石も亦少し。路傍は草莽(さうもう)にて、巓(いたゞき)は禿(とく)せり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
人々何ぞ直ちに自己の胸臆を叙して思ひのまゝを言はざる、去れど人ありて思(おもひ)の儘(まゝ)を書かんとして筆を執(と)れば、筆忽ち禿(とく)し、紙を展(の)ぶれば紙忽ち縮む、芳声(はうせい)嘉誉(かよ)の手に唾(つば)して得らるべきを知りながら
人生 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)