“禿上”の読み方と例文
読み方割合
はげあが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
笠井の禿上はげあがった額からは汗の玉がたらたらと流れ出た。それが仁右衛門には尊くさえ見えた。小半時こはんとき赤坊の腹を撫で廻わすと、笠井はまた古鞄の中から紙包を出して押いただいた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
爾来じらい、七八年の日月じつげつは河のやうに流れ去つた。僕はもう何時いつにかひたひ禿上はげあがるのを嘆じてゐる。久米も、今ではあの時のやうに駆け出す勇気などはないに違ひない。(大正十四年)
微笑 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
とその従兄いとこの民謡詩人がツルリと禿上はげあがったその前額ぜんがくを指で弾く。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)