利益とく)” の例文
たとへさうした方が利益とくだといふことが誰にでも分つてゐるやうなことでも、人に云はれておいそれといふことはなかなかないもんぢや。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
規則改正の結果、つまりういうことになったので、予科を経てゆく者より、中学を卒業して入った者の方が二年だけ利益とくをすることになる。
私の経過した学生時代 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ああわざと正直に云つた方が利益とくだと思つたのだろう……ところで、最後に佐田やす子という女の供述だが、これは全く簡単にして要を得ている。
殺人鬼 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
何方どつちにしても利益とくはないでせう』とあいちやんがひました、自分じぶん知慧嚢ちゑぶくろ幾分いくぶんしめ機會きくわいいたつたのを大變たいへんよろこばしくおもつて、『まァ、かんがへても御覽ごらんなさい、 ...
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
どうせ五十歩百歩なら、しきたりに從つて地道に行つた方が利益とくだよ。この結局利益とくといふことはじつに大したことだぜ。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)