とく)” の例文
(此一條三國通覽より抄ス。) 然るに古今經世之事併籌海守禦之事をとくに、皆是封内の事のみにして其邊海にわたるものなし。
他計甚麽(竹島)雑誌 (旧字旧仮名) / 松浦武四郎(著)
かへつとく吉兵衞は宿やどりし山家やまがの樣子何かに付てうたがはしき事のみなればまくらには就けどもやらず越方こしかた行末ゆくすゑのことを案じながらも先刻せんこく主人あるじの言葉に奧の一間を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
然りといへども誰人として此島地を審にするもの無。誰人とし而此島地を杞憂するものに未だ邂逅せず。草卉之身何ぞ是を在上の君にとくことを得ん。
他計甚麽(竹島)雑誌 (旧字旧仮名) / 松浦武四郎(著)
却てとく畔倉重四郎は小篠堤をざさづつみにて穀屋平兵衞を殺害せつがいし百兩の金子を奪ひ取り其上富右衞門に罪を負せ事落着らくちやくして富右衞門は御仕置しおきおこなはれけるにぞ我が奸計かんけい好機まんまと行しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
召捕べしと役人へ申付られけり却てとくの吉三郎は母のやまひ二三日べつして樣子あしければそばはなれず附添つきそひ種々しゆ/″\心配しんぱいなして勞はり居しが母は暫時しばし睡眠まどろみし中醫師の方へくすりを取に行んと立出る所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)