“はや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハヤ
語句割合
流行28.6%
17.2%
15.9%
7.2%
7.1%
7.0%
4.1%
2.9%
2.7%
1.7%
(他:96)5.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と云って昆布売りの女が見かえり見かえり出て行ったこともあります。嘘か本当か存じませぬが、その頃の福岡の流行はやり歌に、
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
みょうが屋の商牌は今でも残っていて好事家こうずか間に珍重されてるから、享保頃には相応に流行はやっていたものであろう。
うしはいっしょうけんめいにせいしてあるいているのですけれど、そうはやくはあるけませんでした。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はやねがしにはたはたと障子しやうじてヽ、姉樣ねえさまこれ、と懷中ふところよりなか
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
関白どのに召されて寵愛を一身にあつめて、玉藻の前と世の人びとに持てはやされていることは、彼の耳にも眼にも触れていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
軍需景気のあおりを受けつつ、上層階級の宴席に持てはやされ、たとい一時的にもあれ、かつての勢いを盛り返して来たのも
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あたかもとび烏の中における鶴のごときものであるから、結婚の以前、既にはやを宿さぬというすうはあるまい
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蠅営狗苟ようえいくこう羊狠狼貪ようこんろうたんはやきこと飄風ひょうぷうの如く、はげしきこと猛火の如し。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
幸にして張る氣よりしてはやる氣を生ぜずに、暫らく張る氣を保ちて幾干時を經ると、張る氣の結果として幾干かの功徳を生ずる。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
この駕を引っかえしてともはやるのであったが、知らずに別れたのはむしろ僥倖しあわせであったことにすぐ気がつく。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
タタタとはや跫音あしおとだった。耳にそれが分った時は、もう、追って来た何者かの影は、その三名の直ぐ側をいきなり、
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不死人は、さいごに、念を押すと、それこそ、燕が川をるようなはやさを見せて、たちまち、加茂の向うへ渡って行った。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父とは同国の出身で、はやくから病気療養に対するその効用を認めて海水温浴を主唱し、少しは世に知られていた医家があった。
長いあいだ子供の病気や死にはれている庸三だったが、はやく母にわかれた咲子の病気となると、一倍心が痛んだ。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いけまわって、築山つきやますそはしるおれん姿すがたは、きつねのようにはやかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ヂュリ わし骨々ほね/″\其方そなたっても、はやその消息しらせ此方こっちしい。
富士洞窟から武田博士が、やって来た。博士もひどい苦労をしているのか、髭をぼうぼうとはやし、頬がげっそりとこけている。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
すると、私の横に立っていた肥っちょのチョビ髭をはやしたW駅の助役が、傍らの駅手に、医務室の顕微鏡を持って来いと命じた。
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
『拙者も、きょうは大丈夫と、釜無川かまなしがわの瀬へ、はやを釣りに出かけて居ったところ――あの雷鳴かみなりだ』
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と笑つて、蓮太郎は話し/\食つた。丑松も骨離ほねばなれの好いはやの肉を取つて、香ばしく焼けた味噌の香を嗅ぎ乍ら話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
よし三男であつたにしろ、将持といふものははやく消えてしまつて、次男の如き実際状態に於て生長したに相違無い。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
見ずや木造の今戸橋いまどばしはやくも変じて鉄の釣橋となり、江戸川の岸はせめんとにかためられて再び露草つゆくさの花を見ず。
柴紹さいしょうの弟なにがしは身も軽く、足もはやく、どんな所へでも身を躍らせてのぼるばかりか、十余歩ぐらいは飛んで行った。
こっちで彼の顔を見さだめるよりも、相手の眼ははやかった。侍は松明をかざしながら馬上で声をかけた。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ひと無茶苦茶に後世を呼ぶは、なほ救け舟を呼ぶが如し。身のなかばはや葬られんとするに当りて、せつぱつまりて出づる声なり。
青眼白頭 (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
英語でホールンド・ホールス(角馬)と呼ぶは、またニュウともいい、羚羊の一属で二種あり、南阿と東阿に産したが、一種は多分はや絶えたであろう。
世にある人の利に趨り害を避くるはやしといへども、かくいふをききて 一〇九―一一一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「立派なお方には相違ないが、どうも血気にはやらせられてな」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
四月九日 暁烏あけがらすはやより書状あり、その末に、かつて石川県北安田に其寺を訪ひたる時の句しるしあり。
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
こういう風であったから、自然、前に申した平尾賛平氏などが、商人だけに物を見る目がはやく、私の境遇を察し援助して見る考えを起されたかと思われます。
そのチグリスなる名は古ペルシア語のチグリ()より出で、虎のはやく走るを箭の飛ぶに比べたるに因るならんという。
がまんは忍耐の義にして、ながれ急に水はやく、忍耐せざれば舟をさかのぼらしむる能はざるを以て名づく。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
草間くさま來て荒く息づくつらがまへブルドツグはやり手綱張り引く
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
草間くさま来て荒く息づくつらがまへブルドツグはやり手綱張り引く
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「――どうです? 古座谷さん、この繁昌はやりようは、実際わしの思いつきには……」
勧善懲悪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
『其〓風ぢや相應に繁昌はやつてるんだらう?』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
泣きくたし、泣きはやれば、
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
泣きくたし、泣きはやれば、
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
一渡り、はやし立てられたジンタが済むと、旋風のような、観客の拍手に迎えられて、ぴったりと身についた桃色の肉襦袢を着、黒天鵝絨びろうどの飾りマントを羽織った黒吉と、同じ扮装こしらえの葉子とが、手を取りあって、舞台に現われる。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「小左衞門の小屋ですよ。小左衞門お仲夫婦の曲藝師で外に道化の金太といふ人氣者が居るんですが、去年までは一番の働き手はお鈴といふ娘で、それは唄も歌ひ、踊りも踊り、その上綱渡り足藝が達者で、滅法めつぱふ可愛らしい娘ですが、去年の暮からはやし方の六助の世話で一座に、『一と目千兩』のお夢といふ太夫が入つたんです」
女とあなどったものか二人が前後から立ち寄って来るのを若侍はサッと払いけた。思いもかけぬ敏捷はやさで二三足横に飛んだと思うと、松の蔭から出て来た平馬にバッタリ行き当った。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
流石に商人あきうどは目が敏捷はやかつた。
「一晩派手にやったと思やあ三百両は安いもの、路銀は早打はやで取り寄せる。……だが、お千絵様ちえさまから頼まれた大事な手紙、ありゃ、てめえが別にあわせえりへ縫い込んでいた筈だっけな」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうして、その連中が、ここへ引ッ返して来たかというと、ここから遠からぬ根府川の関所――そこは女手形の関なので、多寡たかをくくッて通ろうとすると、すでに、熱海にいる釘勘から密告の早打はやが飛んでいて、小田原の役人や捕手とりてがビッシリ手配をしていたのであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
韋駄天ゐだてんちからでもりませいでは。‥‥どんなお早駕籠はやでも四日よつかはかゝりませうで。‥‥』と、玄竹げんちくはもうおもてをあげることが出來できなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
すると、路傍にボンヤリ腰かけていた駕籠かきや、通行の旅人の中の屈強で好奇ものずきなのが、うしろから駕籠かきを押したり、時には、駕籠舁きが息を入れるあいだ、代わってかついで走ったり……こんなことはなかったなどと言いっこなし、とにかく田丸主水正はこうやって、このときの早駕籠はやを乗り切ったのです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
というところへきて、このごろ世間で時花はやっている阿呆陀羅経のないものづくしの真似をする蝶丸爺さんのあざらしのような顔を次郎吉は思いだした。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
何にじれてか大薩摩おおざつまばりばりと語気はげしく、らざる御心配無用なりうるさしと一トまくりにやりつけられ敗走せしが、かまわずおけば当世時花はやらぬ恋の病になるは必定
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
七、八両月に釣ったはやは、肉落ち脂去って何としても食味とはならない。
季節の味 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
それに鮒の卵は川魚のうち鮎やはやの卵についでおいしいのである。
釣った魚の味 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
倭国獣あり牛のごとし、山鼠と名づく、また大蛇あり、この獣を呑む、蛇皮堅くしてるべからず、その上孔あり、はやく開き乍く閉づ、時にあるいは光あり
まめもち草餅くさもち砂糖餅さたうもち昆布こんぶ切込きりこみたるなど色々いろ/\もちき、一番いちばんあとのうすをトンととき千貫せんぐわん萬貫まんぐわん萬々貫まん/\ぐわん、とどつ喝采はやして、かくいちさかゆるなりけり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「父親にははやく死に別れ、頼りの兄弟姉妹もなく、ただ母親ひとりのたもとにすがって日を送るものでございます」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
士官は我に報せんとて、泡立てる酒を酌みてわたしゝかば、我何の心もつかで飮み乾さんとせしに、貴婦人はやく傍より取り給ひぬ。
薄吹く風にいななく青駒は力の張りや急燥はやるらし
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)