はや)” の例文
こういう風であったから、自然、前に申した平尾賛平氏などが、商人だけに物を見る目がはやく、私の境遇を察し援助して見る考えを起されたかと思われます。
九斤老太は年の割に耳がはやかった。けれど今の子供の言葉はつい聴きのがした。そうしてなお独言ひとりごとを続けた。「ほんとにこんな風では代々落ち目になるばかりだ」
風波 (新字新仮名) / 魯迅(著)
四月九日 暁烏あけがらすはやより書状あり、その末に、かつて石川県北安田に其寺を訪ひたる時の句しるしあり。
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
四肢であるき膝とひじしりこぶに固まりいた、烈しくもがく奴をついにいけどってルクノーに伴れ行きうたが、全く言語せず才智狗同前で手真似や身ぶりで人意を悟る事はやかった
およそ青鼠頭魚は物音を嫌ひ、物影の揺ぐをも好まざるまで神経こゝろはやきものなれば、船にて釣ることも無きにはあらねど、「きゃたつ」に騎りて唯一人静かに綸を下すを常の事とす。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
栗栖はドイツ物のタイトルを読むのがはやく、詳しい説明をして聞かせるのだったが、映画に限らず、この若いドクトルの知識と趣味は驚くほど広く、油絵も描けば小説も作るのであった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
聞おきく尚々なほ/\かなしく白地あからさまに云んと思へども母のをしへの通り父のとがうつたへるも同前云ねば吉三郎は殺されんと心を千々ちゞいたていを大岡殿はやくもさつしられ其方そのはうは吉三郎を牢舍らうしやさするやちゝ利兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「目がはやいね」
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
これあるより早速彦三郎を呼出されしに細引ほそびきにてしばりまゝ白洲へ引据ひきすゑたり時に越前守殿此體このていを見られ是は何か仔細しさいありはやくも察せられしかばしづかに詞をはつし如何に彦三郎其方が父彦兵衞事去冬人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
越前守殿ははやくも見てられ何ぢや多兵衞云へぬか云へまい其寺は淺草阿部川町あべかはちやう了源寺れうげんじであらうコリヤ多兵衞先達て了源寺の所化しよけと爲り燒場やきば切手きつて持參ぢさんなし島の死骸しがいを千住の燒場光明院へ持込もちこみ棺桶くわんをけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)