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此體
読み方 | 割合 |
このてい | 50.0% |
このなり | 50.0% |
床より引下し
拳を上て
既に
打んとなす此時
近邊の者先刻よりの
聲高を聞付何ことやらんと來りしが
此體を見て
周章て
捕押へ種々靱負を
上當年五十三歳に相成候と云たる
體顏色殊の
外痩衰へ
肉落骨顯はれ
聲皺枯て高く
上得ず何樣數日
手強き拷問に掛りし樣子なり大岡殿
此體を
脱せ
古袷一枚
錢三百文與へて
何國へなりと
出行べしと
勘當なしければ番頭若い者等
種々詫言すると雖も吉右衞門承知せず
其儘古河へ歸りけり依て吉之助は
今更途方に
昏此體にては
所詮初瀬留にも
逢れず死ぬより外に
詮術なしと
覺悟を