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此體
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このてい
床より引下し
拳を上て
既に
打んとなす此時
近邊の者先刻よりの
聲高を聞付何ことやらんと來りしが
此體を見て
周章て
捕押へ種々靱負を
上當年五十三歳に相成候と云たる
體顏色殊の
外痩衰へ
肉落骨顯はれ
聲皺枯て高く
上得ず何樣數日
手強き拷問に掛りし樣子なり大岡殿
此體を
開きけるに皆々
漸次に
酩酊して前後を
失ふ程に
五體俄に
痿痺出せしも只醉の廻りしと思ひて
正體もなきに大膳等は
此體を見て時分は
宜と風上より我家に火を