“すばや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
素早42.9%
敏捷15.6%
素捷13.0%
素迅9.1%
素速5.2%
3.9%
捷早1.3%
1.3%
敏速1.3%
素敏1.3%
素疾1.3%
迅速1.3%
1.3%
逸早1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敬二は寝衣ねまきをかなぐりすてると、金釦きんボタンのついた半ズボンの服——それはこの東京ビルの給仕きゅうじとしての制服だった——を素早すばやく着こんだ。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ハヽヽ、敏捷すばやい/\、流石に源太だは、我の思案より先に身体がとつくに動いて居るなぞは頼母しい、なあにお吉心配する事は無い、十兵衞と御上人様に源太が謝罪わびをしてな
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
作右衛門素捷すばやく走り戻って本陣に入り、首を大将の見参げんざんに備え、ここに名生の城と申す敵城有って、先手の四人合戦仕った、と述べた。サアここである。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
例によって素迅すばやいもので、もちろん、あとに煙管きせる一本でも、足のつくようなものを残して置くブマな真似はしないで、スワと立って、スワと消えてしまった鮮かな脱出ぶりは、手にったものです。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
衣装いしょうがせて、襦袢じゅばんがせて、屏風びょうぶのかげへ這入はいったおせんは、素速すばやくおのが着物きもの着換きかえた。と、このとき格子戸こうしどそとからっていたように、おとここえおおきくきこえた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
花やかともいえよう、ものに激した挙動ふるまいの、このしっとりした女房の人柄に似ないすばや仕種しぐさの思掛けなさを、辻町は怪しまず、さもありそうな事と思ったのは、お京の娘だからであった。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いう事が捷早すばやいよ、お京さん、そう、のっけにやられたんじゃ、事実、親類へ供えに来たものにした処で、そうとはいえない。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その行動のすばやいことといったら、どうも人間業とは思えなかった。高い石垣を見上げたと思うと、ヒョイと長い手を伸ばして、バネ仕掛けのように飛び越えた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
法水は背文字を敏速すばやく追うていって、しばらくの間、紙と革のいきれるような匂いの中で陶酔していた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
素敏すばやいなあ。まるで商売人だ」
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ばちを片手でひッつかむと、恐る恐る差出さしだした手を素疾すばや引込ひっこめ、とさかをはらりと振ってく。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とこのとき非常な迅速すばやさをもって垣根の横からライオンの足元に飛びこんだものがある、ライオンはそれにつまずいてたおれた、かれの手には小刀がやはり光っていた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
その時、谷の中央なかほど轟然ごうぜんたる響きがとどろいた。二道の火気が空に向かって矢のようにすばやく飛んで行った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
迂濶うっかり知らないなぞと言おうものなら、使い方を見せようと、この可恐おそろしい魔法の道具を振廻されては大変と、小宮山は逸早すばや
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)