“すばし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
敏捷21.7%
素迅17.4%
素走13.0%
洲走8.7%
素敏8.7%
須走8.7%
小走4.3%
砂走4.3%
簀椅4.3%
素捷4.3%
素早4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういう場合における米友は注文より以上に敏捷すばしっこいので、女を水物みずものにしてしまうようなことはなく、お玉がおっこちるが早いか直ぐに腕を取って引き上げてしまいました。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
木登り屋根登りはする、小姓組の小さい仲間を泣かす、悪戯わるさはする、逃げることはまたおそろしく素迅すばしッこい。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いま乾板現像液で茶色に染まってる手を出して、他人の賭金ステイキ誤魔化ごまかしてさらえ込もうとしている——AA! 何て素走すばしっこい事業でしょう! あたしはあの人を讃美します。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
その癖おそろしく素敏すばしっこい昆虫むしめが、とても我慢が出来ないほどチクチクと彼のからだすものだから、手を一杯にひろげて彼は螫された箇所ところをポリポリ掻きむしりながら、思わず
富士ふじ須走すばしりとワラ山の雪崩なだれに、怪我人けがにんのあったためしはない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——ある! それは船渠ドックのモンキー騒ぎの時にオペラバッグから金剛石ダイヤの指環をちょろまかした小走すばしッこい、ほんとのぬすを探すことさ」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一旦下りとなり砂走すばしりの中へでも踏み入ろうものなら一ときの間に流砂と共に裾野まで一のしにのしたものである。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
更にその兄王の河を渡りまさむ時のために、船かぢを具へ飾り、また佐那葛さなかづらの根を臼搗うすづき、その汁のなめを取りて、その船の中の簀椅すばしに塗りて、蹈みて仆るべくけて、その王子は、たへ衣褌きぬはかま
持山 大丈夫、そんな素捷すばしつこい奴は、一人もゐませんよ。ゆつくりお拾ひなさい。さて、諸君、胸がちつとはすつとしたでせう。いゝ年をお迎へなさい。
雅俗貧困譜 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
どんなに素早すばしっこく這い廻り、跳ねられることであろう。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)