素速すばや)” の例文
チャンウーは、もういちど素速すばやい視線をあたりに投げると、ううんと深いいきを吸い、それからくいいるように、その半ペラに見入っていた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
衣装いしょうがせて、襦袢じゅばんがせて、屏風びょうぶのかげへ這入はいったおせんは、素速すばやくおのが着物きもの着換きかえた。と、このとき格子戸こうしどそとからっていたように、おとここえおおきくきこえた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
服従の素速すばやき気転なり。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
が、もう一たけろうが、はなあたまッこすって、ニヤリとわらったその刹那せつなむこうからかかった、八丁堀ちょうぼり与力よりき井上藤吉いのうえとうきちよういているおに七をみとめた千きちは、素速すばや相手あいてせいした。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
お春が素速すばやく立ち上がろうとするのを、伝七はさり気なく留めた。