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素捷
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すばや
ふりがな文庫
“
素捷
(
すばや
)” の例文
又、彼等は先祖代々
深山幽谷
(
しんざんゆうこく
)
に棲んでいるから、山坂を
駆歩
(
かけある
)
くことは普通の人間よりも
素捷
(
すばや
)
いであろうし、腕力も
亦
(
また
)
強いかも知れない。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
作右衛門
素捷
(
すばや
)
く走り戻って本陣に入り、首を大将の
見参
(
げんざん
)
に備え、ここに名生の城と申す敵城有って、先手の四人合戦仕った、と述べた。サアここである。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
わたしはその余りに
素捷
(
すばや
)
いのに驚かされながら、正面に向き直った彼の顔を更にじっと見つめると、彼の顔は一向に女らしく見えなかった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ト、下駄の歯の間に
溜
(
たま
)
った雪に足を取られて、ほとほと
顛
(
ころ
)
びそうになった。が、
素捷
(
すばや
)
い身のこなし、足の
踏立変
(
ふみたてが
)
えの巧さで、二三歩泳ぎはしたが、しゃんと踏止まった。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その行動があまりに
素捷
(
すばや
)
いのと事があまりに意外であるのとで、周囲の人びとも
呆気
(
あっけ
)
に取られて眺めているばかりであった。
恨みの蠑螺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
そいつはなかなか
素捷
(
すばや
)
い奴で、山城屋の女房と女中が奉行所へ呼ばれたと聞くと、すぐに夜逃げをして、どこへ行ったか判らなくなったんです。
半七捕物帳:39 少年少女の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
まして鷹のような
素捷
(
すばや
)
い鳥はどこへ飛んで行ってしまったか判らない。それを探し出すというのは全く困難な仕事であると、さすがの半七も胸をかかえた。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
巡査は心に喜んで、闇を探りながら
衝
(
つ
)
と寄って、
其
(
そ
)
の一匹の
襟首
(
えりくび
)
を掴んだ。が、敵も中々
素捷
(
すばや
)
かった。
忽
(
たちま
)
ち
其
(
その
)
手を払い
退
(
の
)
けて、口に
啣
(
くわ
)
えたる刃物を
把直
(
とりなお
)
した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「畜生、
素捷
(
すばや
)
い奴だ。よもや家へ帰りゃあしめえが、まあ念のために行ってみよう」
半七捕物帳:31 張子の虎
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其
(
その
)
場合には
矢張
(
やは
)
り一般の
盗賊
(
ぬすびと
)
の如くに、
成
(
なる
)
べく
白昼
(
ひる
)
を避けて夜陰に忍び込み、鶏や米や魚や手当り次第に
攫
(
さら
)
って行く。
其
(
そ
)
の
素捷
(
すばや
)
いことは
所謂
(
いわゆる
)
猿
(
ましら
)
の如くで、容易に
其
(
その
)
影を捕捉することは
能
(
でき
)
ぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
勇吉は金兵衛の遠縁の者で、やはり十一の年から奉公に来て、まだ六年にしかならないが、年の割にはからだも大きく人間も
素捷
(
すばや
)
い方で、店の仕事の合い間には奥の用にも身を入れて働く。
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼は、まったく猫のように
素捷
(
すばや
)
かった。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
捷
漢検準1級
部首:⼿
11画
“素”で始まる語句
素人
素
素直
素性
素振
素気
素朴
素足
素姓
素破