“雑”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
まじ59.4%
15.6%
まざ11.3%
ざっ4.4%
ぞう3.8%
ざつ2.5%
くさぐさ0.6%
0.6%
ざふ0.6%
ざわ0.6%
ザフ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あれはどうやら三丁目らしい。さては油屋かな永楽屋かな。いいお客があると見える。油屋とするとお北めも、っているに相違ねえ
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分の家からは、職人たちの金物を彫っている metallique な音にじって、ときおり若い娘たちの笑い声が聞えてくる。
三つの挿話 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
ひょっと人の血がってでもいるなら、染吉自身の血だとして、あんまり生血を絞ったんで、衰えて死んだとしてもいい。
染吉の朱盆 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それだからいう事は余り大した事ではありません。が、もう少しの間、としたところを御話して御免る事にしましょう。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
去来の「秋」の次に凡兆の「」が現われるのと、凡兆の「秋」のあとに去来の「雑」が来るのとではやはりかなりちがった効果的特徴を示すであろう。
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
またと一、五ばかり、ども一し……申尽くせませんまで、種々づかひをさいましたのも、たゞ御礼申上げるだけではみません。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これは巻七のの挽歌のなかに出てくる作者不詳のものであります。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
気のおけぬ若いというものは、家来にとって、よいものらしい。特に高氏には、弟の直義にもないッかけなさと、大容な風がある。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
冬旱長かるあひだび来しの落葉もはららき失せぬ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
給士一人して立ち働き、一坐のめきに暫時悲しさを紛らしぬ、一坐の歓娯も彼が不運を予言するもののごとく何となく打ち湿り、互いに歌う鄙歌もしばしば途切れ
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
此は、四季・恋に対するとも言ふべきものである。雑歌が歴史的の意義を持つてゐる事は明らかであつて、謂はゞ、歌物語を簡明に、集成したものであつた。