早駕はや)” の例文
『殿様の御処分や、その他、分り次第に、刻々、二番早駕はや、三番早駕と、後を追って御報告申し上げるが——と大石殿へ申されたい』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜならば早駕はやは何うしても渡船わたしらなければならないが、清水一学は、浅洲あさすを拾って馬を乗り入れ、無礙むげに対岸へ渡ってしまったからである。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その憂いと怒りに、さわいでいる幡豆郷はずのごうから、目と鼻の先にあたるこの街道を、浅野の早駕はやが通ると聞いて、何で、村民どもが黙って見ていようぞ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早駕はや、四ツ手が木の下にズラリと埋まっていて、この陽気なのに、汗をふいているかごかきや、上がりかまちでわらじを解いている旅客やで、帳場はひとしきりの混雑です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)