“一刻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっとき61.0%
ひととき15.6%
いっこく14.9%
いつこく5.0%
いつとき2.1%
しばらく0.7%
ちつと0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
藤枝蔵人老人が三河屋を出たのは、それから一刻いっとき(二時間)も後——ツイ二三町の自分の家へ帰ったのは、戌刻いつつ半(九時)過ぎ——。
茂太郎の予報から約一刻ひとときも経て、果して田山白雲のしょうのものが、月ノ浦の港の浜辺に現われて、船をめがけて大きな声をあげました。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
利助の言うことは、本人を前にしては、少し立ち入りすぎますが、しかし五十男の一刻いっこくで、思い込むと加減も遠慮もなかったのでしょう。
またうしてられる……じつ一刻いつこくはやく、娑婆しやば連出つれだすために、おまへかほたらばとき! だんりるなぞは間弛まだるツこい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
行きがけの駄賃に一番うらんでゐた今の旦那を殺しましたが、お銀さんにとめられて、内儀さんだけを助けて、一刻いつときほど前、何處ともなく行つてしまひました。
さて、しかるにその足跡たるや、一刻しばらくもやまない粉雪こゆきのために、薄くおおわれておりますが、これがきわめて大切な点で、ほかの無数の足跡と比べて蔽われ方が著しゅうござる。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ふくみつゝ三次のそばへさし寄て今より何卒御一所におつれなされて下されと云へば三次は默禮もくれい然程迄さほどまでにも逢度あひたくば今夜すぐにも同道せんと聞てお安は飛立とびたつおもひそれは/\有難し先樣でさへ夜分やぶんにても能事よいことなれば私しは一刻ちつとはや逢度あひたいと悦ぶ風情ふぜいに長庵は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)