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一刻
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いつこく
又、
何うして
寐られる……
実は
一刻も
疾く、
此の
娑婆へ
連出すために、お
前の
顔を
見たらば
其の
時!
壇を
下りるなぞは
間弛ツこい。
斯うなると、
一刻も
眤として
居られぬのは
武村兵曹である。
腕拱いて、
一心に
鐵檻車の
運轉を
瞻めて
居つたが、
忽ち
大聲に
やがて、
夢から
覚めた。此
一刻の
幸から生ずる永久の苦痛が其時卒然として、代助の
頭を
冒して
来た。
彼の
唇は
色を
失つた。
彼は黙然として、
我と
吾手を
眺めた。
この
寂寞この
悲哀を
慰める
為めに、
長吉は定め
難い
何物かを
一刻/\に激しく要求して
止まない。
此際或は
倒壞家屋の
下敷になつたものもあらうし、
或は
火災を
起しかけてゐる
場所も
多いことであらうし、
救難に
出來るだけ
多くの
人手を
要し、しかもそれには
一刻の
躊躇を
許されないものがある。
処で、
一刻も
疾く
仕上げにしやうと
思ふから、
飯も
手掴みで、
水で
嚥下す
勢、
目を
据えて
働くので、
日も
時間も、
殆んど
昼夜の
見境はない。
ほと/\
堪えられぬ
臭氣、
氣も、
魂も、
遠くなる
程で、
最早此腐つた
魚とは
一刻も
同居し
難く、
無限の
恨を
飮んで、
少年と
二人で、
沙魚の
死骸をば
海底深く
葬つてしまつた。
一息に
血一点、
一刻に
肉一分は
絞られる、
削られる……
天守の
梁に
倒で、
身の
鞭に
暇はないげな。
かく
軍艦に
乘組んでは
一刻も
默念とはして
居られぬ、かつは
艦長松島海軍大佐を
始め
軍艦「
日の
出」の
全員が、
自分の
最も
敬愛する
櫻木大佐のために
誠心から
盡力して
呉れるのが、
心から
憘しく
大勢が
寄つて
集り、
民子は
取縋るやうにして、
介抱するにも、
藥にも、ありあはせの
熊膽位、
其でも
心は
通じたか、
少しは
落着いたから
一刻も
疾くと、
再び
腕車を
立てようとすれば